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自由律俳句 2023 1月分
自由律俳句 2023 1月分 生まれた頃の願いを思い再出発 元日の散歩よく笑う妻である 着替えよう本日は妻の実家に行く お墓の前にお義父さんと妻とわたし そうか歳を越せたか考え溜め息ひとつ 本をもってニッポンを考えよう ブルースを溜め込んで青空だ あしさき寒くある暖房はつけない 妻と私の小さな家族 妻と昔住んでいた町へ行く 仕事明けの日近づいて不安になってくる 鳥も啼かない冬極まれば 明日わたしはこころがわりしないかな 麦茶無くなるまで話し込もうよ 眠り過ぎて腰が痛む じぶんを諦めきれないでいる雑草 機械にのって揺られる父と私 私にも不満はありつつ天にかえす ゆったり急ぐ焦らない冬にして ぼうっとひとひ過ぎちょっと涙する 妻のことなら丸ごと世話する ささくれだったこころ満腹で丸くなる 読んでいない本のあれやこれやどれや 雲多し 向こうの薄い青よ 残されてひとり皿を洗う そんなに私の活舌が悪いのか 強い風の音がする この道を往くのか コーヒーかき混ぜる音がなければ音がない家 妻よ、こんな遠くでうな丼食べていてご免ね やっと歩いて無人駅へ 白菜腐らせて荷車倒されたままだ まったく花になってしまいたい快晴だ コーヒーの後味つづく冬の朝 なめらか百日紅の木の夢だったような イエスの断食四十日を信じられず 妻がへそ出して笑っている 闇のつかみどころのなさのふたりきり 寒さか、原ン付のエンジンが止まってしまった なぜ妻は私の耳を吹いてくるのか 歩いてつかれて夕飯はうどん さびしみの降る、光と云う 道がさびしくて歩きはじめた まっさおな空その何も無さを味わう 炬燵で妻が眠っている、風邪ひくぞ 妻と楽しくて夜が笑いはじめた あなたの為に生きている雪の裸木 はやく起きてすることはなし、寒い 書斎にひとり恥ずかしいことを書く 暗がり可燃ゴミ出しに行ってきた じっと考えてハンドクリーム買う 胸にぽっかり幸せが通る こんなに冷えるか、作業着を着る 妻が風呂掃除している音 野に飽きてくさはら踏んで帰る 2023年、年始より一日十句を目標に、自由律俳句(随句)を創作し、その中から五十四句を拾いあげた。 前年の句の曖昧模糊とした感は薄れ、生活即句、現実といえばあまりに現実的な句しかなくなった。しかしそれが句の基本であるから。年始、やっと私は句を書く人間として開眼できたのかもしれない。或いはそれが壮大な偽悟りであっても、私は私の仕事に満足している。 種田山頭火や尾崎放哉と違って、私には妻がいる。尊敬する妻がいる。彼女は私の句の理解者で、今回、この選にも協力してくれた。最終的にはその選には私が手を加えたが、全体のバランスを考えてのことで、ふたりの選は概ね共通していた。ここにお礼を申し上げる。 流浪、放蕩、できない私の哀しみは、何も哀しいことではなくて、ただ郊外に暮らす、一生活者の哀しみを詠えばいいということに尽きた。 妻、の句が多くなった。私は彼女と幸福であろうとつとめつづけているし、いたいのだ。重ねてありがとう。 2023.02.08(水)
自由律俳句 2023 1月分 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 796.9
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2023-02-08
コメント日時 2023-02-11
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
書かれた中でこれだけはという句を1つ選んでみていただきたいなあと思いました。 連作でこれだけ読ませていただくにはなかなか厳しかったです。 しかし、1日10句とは凄まじいですね。 この先、どうなられるのか私がこのようなことを書くのは非常に生意気ですがとても楽しみです。
1かずや様 お読みくださりありがとうございました。 これだけはという一句を提示することは難しいですね。 したとして、妻との関係とか、お義父さんとの関係とか、そうした 人間関係の中での句になると思いますね。 時代小説でも、またたび物は今あまり読まれないように 共同体の中でしか生まれないものがいいかな、と思います。 今日は、十五句かな、また書きました。 私は自己表現が苦手なので、と云いますか病気ゆえに感情が、 平坦化してしまっているので、感情を書き出す機会は 日々、大切にしていきたいと思います。 重ねてありがとうございました。
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