別枠表示
少女終了
人生の第一章、少女編が終わってしまった。4月9日で19歳になった。永遠に少女でいられる、と小学生の頃は信じていた。しかし、年をとる度に自分の心と与えられた数字が合わさらなくて、違和感を覚えるようになっていた。なぜならまだ私は、サンダルで転びながら必死に走っている幼女のまま心が止まっているからだ。まだ何も知らない、生まれたての赤ちゃんの身体に付いたみずみずしい血液のような赤い期待で溢れている。 "何か伝説になるようなことを成し遂げて、いちばん綺麗な18歳で死ぬ”今思うと馬鹿みたいな野望だ。 “現実を受け入れる”以外で大人になるということは、好きなことを素直に好きと言えるようになることだと思う。 わたしは、 夏が好きなのに嫌いだと自分に言い聞かせていた。 夏になると急に人間たちが活動的になり、そんなものを見て羨ましむ自分が悔しかったからだ。 けれども、高校2年生の10月の初めのことだった。制服のスカートで電車の座席に座った時、太もものところのヒーターが熱くて、夏の終わりを感じた。夏は嫌いだから、嬉しいはずなのに、寂しさで心がいっぱいになり、丸一日そのことを思い出して変な気持ちになっていた。その日の出来事で、夏が好きなんだと初めて気づいた。 振り返ると、カメラのピントが合っていないのにそのまま写真を撮り続けているような18年間だった。 色々なことから逃げて、逃げる癖に、目立ちたい気持ちだけがあった少女時代だった。 人生の第二章はもう始まっている。だが、完全に少女の心を捨てたいとは思わない。 内に少女の心を秘めたまま大人になりたい。 第二章が終わる歳は決まっていないが、その時になったら第二章に名前をつけられるよう、第二章を生きたい。
少女終了 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 917.5
お気に入り数: 0
投票数 : 2
ポイント数 : 0
作成日時 2023-01-10
コメント日時 2023-01-20
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
私は23歳ですが、とっくに終わった第一章、少年編の名前はいまだに脳内で討論中です。 夏の浮かれに追いつけなかったことも覚えていますが、それも第一章の大事なパートですし、 ぜーんぶ受け入れて第二章を生きてます。主役は自分ですもんね。
0小さな頃はあんなにも大人に近づく毎日が楽しかったのに、ある程度の年齢になると歳を取るのが悲しくなりますね。 幼少期、青年期、成人期、老年期、心理学だとそれぞれに発達課題があるだなんだと言いますが、結局境目も違いも曖昧です。 きっとなれるはずです。少女のまま大人にも。
0