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THEE MICHELLE GUN ELEPHANT―CASANOVA SNAKE感想
なんか書きたいからこれを選んでみた。ミッシェルは私の人生で初めて音楽を聴いて鳥肌が立つ事をさせたバンドであり、1日の中で最低でも1回チバユウスケの声を絶対に聞くことに捧げている。こっから話すことは全部個人的な話だから割り切ってもらいたい。ミッシェルはギヤ・ブルースっていうアルバムを日本ロック史に名盤として叩き付けたんだけど、この時に自分達の影響受けた音楽を自分達なりに昇華、再構築ってのをしてきたのが多分すっからかんになったんだと思うんです。で、このアルバムは再出発なんだと思う。バンド活動を一日に当てるなら午後から夕方の時間、昼休憩も取ってさぁまた動くぞみたいな感じ。 このアルバムはエネルギーがとにかくあって、当時活動10年近くのバンドなんですけど初期衝動というのを感じます。ギヤ・ブルースでアイデア使い切ってパチパチ燃える炭みたいになっているから、ガソリンぶっかけてその爆発力で突っ走っているように思えました。だからミッシェルの中では下手に凝ったりせず、一発ネタ、その時のテンションで鳴らしたい音を詰め込んだよってなヤケクソで度ストレートな作品。全く凝っていないってわけではないんだけどね。私が聴いているバンドの中ではあれこれ音楽性を拡げていかず逆にシンプルになる珍しい過渡期を迎えている。前期ミッシェルのポップさ、どこか瑞々しい感じだったのに対して、このカサノバスネイクは水分干上がったカラカラ砂漠、暑い、熱い、そしてなんか辛い、泥臭い、男臭いように思えます。ちょっとしたアイドル性がなくなって、ある意味でミッシェルの踏み絵、俺等のスピードについて来られない奴はバイバイ、ビューン!みたいなね。チバさんの声が歪んで終始叫んでいる、がなりすぎて格好いい声になっている。全身を使って声を出しているのが痺れます。チバユウスケの声というのも、ミッシェルから今のバンドまで辿っていくと変化があって面白いんですけど今回は割愛。 ここまでの話をまとめると、過激で度ストレートな過渡期のアルバム。シンプル故に曲の振り幅が狭いので刺さる人には刺さるけど…ってなるのかな?私自身もミッシェル1年生の頃は何が何の曲なのか覚えず辛かったし、気分が乗らないと、とにかくアルバムを通しで聴けない、疲れる、そんな曲が並んでいる。当時は1,4,5,6,7,8,12,14と2,3と10,11であやふやになっていた記憶がある。 軽い単曲事の感想 1デッド・スター・エンド 上で言っているとおり振り幅が狭いアルバムなのでこの曲と似たようなのが沢山続く。これが好きだとなれば聴けるかも知れない。男臭いロックンロール。あの娘がいれば宇宙の果てまでぶっ飛んでいけると豪語するラブソング。 2コブラ なんか辛いピリピリ唐辛子な曲。ギラギラ熱い砂漠みたいな曲。ストレートってより、凸!凸!ぶち上げる!みたいな感じ。カサノバスネイクの蛇はこいつなのかも知れない。 3ヤング・ジャガー 前作にアッシュという曲があってそれの仲間みたいな曲。あんまり好きじゃない。単曲でこれを聴こうとはなれない。コブラでは踊りたい!と歌っているけど、こっちは裸足で踊りまくると歌っている。 4プラズマ・ダイブ 解放されたプラズマみたいに落ちていくだけなんだ!っていうけど、私のイメージとしては雷溜め込んで中でバリバリ電撃が走りまくっている中を落ちていくような感じ。2が打撃系ならこれは斬撃系。タダですらテンション高いのに後半更に上がる。 5リボルバー・ジャンキーズ 初めて聴いたときから好きだった。この曲も似たり寄ったりな感じに聞こえるかも知れないけど、なんか爽やかに晴れているような感じ、他のは熱いし暑いんだけど、バイク乗ってかっ飛ばしているようなだからどこか涼しさみたいなのも感じる。今作では中盤に持ってきたけどライブでは終わりに持って来ることが多かった曲。このアルバムが微妙でもこの曲はまぁ悪くないんじゃないとなる人は多いのかな? 6ダスト・バニー・ライド・オン 勢い任せ、ごり押しな曲。4コードをド派手にかき鳴らして、歌詞も同じ事を繰り返している。度直球ストレート。歌詞にも出てきているけどほんと砂嵐が起きているような感じってのが例えとして合っているかも。 7裸の太陽 前のがパワー強すぎたから大人しく感じる。渋くて硬派だと言った方が良いのかな?このアルバムの中ではメロディーがあるように思われる。 8ラプソディー ただですら似たり寄ったりな曲が多いのに6とダブっている。コード進行が似ているからだと思われる。でも違いがあって6はメロディがないけど、これは歌物になっている。実際の出来上がった順番は知らないけどこれは6の発展版、または7を荒くしたような感じ。ミッシェルというとアベさんのカッティング演奏なんですけど、この曲ではその格好良さを感じられると思う。3分あたりからハーモニクスも混じって格好いい。 9夜明けのボギー インスト曲だけどチバさんが誰かと電話している声が入っている。怪しい感じがする。チバさんの会話だけでも聞き取れないかなって思っているけど未だに聞き取れない。ミッシェルのアルバムは必ずインスト曲が入るけど結構好きな方。 10シルク インスト挟んで1曲目。またぶっ飛ばすのかなと思ったらスローな曲から始まる。重く泥付いた感じ、焼け焦げたような感じもする。蒸し暑くて蜃気楼見えそうな感じもする。アベさんの長いギターソロが長く聴けるし、指弾きもしてくれるレアな曲。 11ピンヘッド・クランベリー・ダンス これもミドルテンポな曲。楽しげなドラムから始まり濁り切ったベーズが乗っかるダンス調の曲。歌詞も含めて不気味で怪しい感じがする曲。全体的に暗い感じするんですけど、アルバムの中では構成が凝っている方で転調の時にうおっ眩しい!ってなる。カッティングもこれでもかというくらいかます。 12アンジー・モーテル 順番ずつ聴いているとまたこれ系かと流石になると思う。これも6のメロディーある奴。7とも8とも被っている。なんかボロクソに言ってるけど私は好きな方ではある。 13GT400 これはシングル曲。PVの通り荒野の中をバイクで走る感じ。だけどぶっ飛ばしているような感じはしなくて制限速度守って走っている感じ。簡単にいうと5のゆったりしている奴。基本的に疲れるアルバムだと思うのでリラックス出来ると思う。因みにそんな好きではない。歌詞の中ではバイク乗ってどっか行っちまえばいいと歌っているけどその果てがラストシングル、エレクトリックサーカスのバイクの死骸だったのかと思ったりする。でもガソリンも僅かで乗り回したから、バイクを捨てて4人は歩いたり、走ったりしたのかも知れないと考えている。 14ピストル・ディスコ 音がヤケクソだったり暴力的なのは6なんだけど、これはドタバタしていて散らかっている感じかな。ピストルっていうだけあってバンバンぶっ放しているような感じがする。打ち上げ花火、全部に火が付いちゃったと言う方が合うかな?Bメロの流れるようなベースラインにはうっとり。 15ドロップ この曲のラストはとてもスローでした。6分ちょっとあってシンプルな曲構成、歌詞も雑に言うと夜になるって事を歌っている。チバさんにしては意味が分かりやすい。後期は物語チックになるんですけど、初期の雰囲気を感じる。基本的にアツくて水がないようなアルバムだけど、この曲に殆ど凝縮しているように思える。カラカラになってヘトヘトになって、かいた汗も蒸発して塩になり、肌も焼けた中でオアシス見付けたような感じだよね。だからかなり染みる。疲れたときの家に向かう時に見る夕陽みたい。私はミッシェルが朝から夜に向かったバンドだなと思う大きな切っ掛けでもある。この曲はラストライブの1曲目だったけど、いきなりぶっ飛ばすわけじゃなくゆっくりしたこの曲から始めたのに意味があるなら、終わりの始まりってのをファンとか自分達で再認識するためだったのかなと思ったりする。 終わりにこのアルバム曲を中心に人気曲、当時の新曲も収録されてるライブCDが出されている。音源加工っていうのが一切されていないのか音割れバリバリ音質も悪いですけど、ライブの臨場感というのを感じられます。曲の速度もテンションも倍になっており、こっちの方ばかり聴いてしまっている自分がいる。チバの詩はベンジー化したのか?シングル曲は順番に辿ると物語になっている?サブリナヘヴン、サブリナノーヘヴンの曲分けはとかどうしたのかとか話したいことあるけどこんなとこで良いでしょ。なんか沢山書きたかったからスッキリしたわ。 布教したいから公式チャンネルの音源を載せる。
THEE MICHELLE GUN ELEPHANT―CASANOVA SNAKE感想 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1017.6
お気に入り数: 1
投票数 : 3
ポイント数 : 6
作成日時 2022-12-05
コメント日時 2022-12-09
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 2 | 2 |
エンタメ | 2 | 2 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 6 | 6 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 2 | 2 |
エンタメ | 2 | 2 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 6 | 6 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
これはやられた感がかなりある。おれもこういう極個人的レビューを書きたい。ロッキング・オン社がやっていた音楽文がおしまいになった今、ビーレビでこれをやりたい。おそらくそのうちおれも書く。ちなみにこのジャケ、元ネタはルースターズだね。
0タイトルを目にした瞬間、「これは読まなきゃ!」と思いました。 THEE MICHELLE GUN ELEPHANTは個人的に、というかおそらく90年代生まれで、ポピュラー音楽が好きな人の多くにとって、ロックにハマる入口、それどころか、向こうから引き摺り込む誘拐犯のような存在だと思います。 私は中学の頃に、ベタですが『世界の終わり』を聴いて拐われました。 シングル曲は一通り聴いていましたが、アルバム現物は『Chicken Zombies』(ジャケットは60年代アメリカのハード、ブルースロックバンドBlue Cheerが元ネタだそうで)と『SABRINA NO HEAVEN』しか持ってなくて、『CASANOVA SNAKE』は1、5、13くらいしか知らなかったので、早速公式チャンネルで全曲視聴しました。 3、4、8、10、11、14、15が特にシビれました。 調べると6は、ライブ中、観客からペットボトルが投げ込まれてチバさんに直撃し、憤慨したチバさんが「物投げずにお前が飛んでこい!」という鬼イカす名言を放った、通称ペットボトル事件の起きた際に演奏していた曲みたいですね。 御作の表現を少しお借りしてしまいますが、このアルバムは、ミッシェルが前作までで自分達の中のルーツを搾り切って、贅肉を削ぎ落としたほとんど骨と筋と皮だけの身で突っ込んで来た印象です。 鈍器のような、槍のような、鉄砲玉のような曲で、油断すると打ちのめされそうです。 Mステのt.A.T.u.ドタキャン事件での『ミッドナイト・クラクション・ベイビー』の生演奏など、カッコいい姿をさらけ出してトばし続けたバンドです。
0どうも ルースターズのパロディらしいです。 あんがいこれも誰もやってないのでやりました。 疲れますが楽しかったです。 待ってますレビュー。
0私とミッシェルガンエレファントの出会いはt.A.T.u.事件でした。でも急遽演奏した2曲目より、1曲目のデッドマンズギャラクシーデイズにビリビリ来ました。剥き出しのエネルギーを感じられて聴く側もパワーが入りますが、ガス欠な時に聴いても燃料になる不思議なアルバム。中途半端だと疲れるのかなって思いました。
1ファン補正とか抜きであのライヴアルバムは最高ですよね!あんなにライヴ感が感じられるアルバムってないと思うんですよ。自分が持ってるのだとパンテラのライヴアルバムもあるんですがあれも選曲と音質も含めて最高なんで、メタル系に興味あったら聴いてみて下さい。
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