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月夜
あなたは静かに眠る 時どき口元に耳を近ずけ胸と肩の小さな動きを確認しないといけないくらい 透き通った湖の底に沈んだ樹木のように 月明かりが普段よりも明るい夜だった あなたは窓際のベットに膝をつき両肘を窓の所に立てて外を眺めていた 空は濃紺のベルベットのシーツを広げたような艶やかな濃い青で月が朧げに辺りを照らす あなたの裸の背中は真っ白な彫刻の様で月の女神とはこの事だと思った その後二人で月は東から昇るのか西から昇るのかで腹を抱えて笑いあいしばらくしてあなたは僕の上で踊りだす 白いシーツに広がる真っ黒な髪は扇の様に広がり、いつの間にかまた静かな眠りに落ち込んでいる テーブルの上にぞんざいに放り投げた絹のハンカチがいつの間にか床に落ちているかの様な眠り方だ 僕は死ぬのならその様に死にたいと思った あなたが眠り夢を見ている間僕はさっきあなたを抱いた思い出に一人で耽りより内省的になる 僕たちの関係はきっと長くは続かないのだろう そして僕はあなたを落胆させ悲しませるだろう でもそれはどうしようもない事なんだ 家に帰りふと身体のどこからかあなたの匂いの残り香に気がつく でもこれも明日の朝には消えてしまうんだろうね そしていつかのタイミングでその匂いを思い出しては僕はまたこの事を思い出す 違う人と会っていても思い出すのはこの事だろう
月夜 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 563.6
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2022-11-20
コメント日時 2022-11-20
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
理想化された女の姿でしょうか、実在よりゴースト的な印象を覚えました。落ちた絹のハンカチの例えは素敵でしっくりきました。
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