いかんせん私たちは嘘が苦手で
互いを人波の中にさがすかというと
それはあるいは片方だけがそう信じ切っている
だけであり 君はそんなことをしないんだね
ジュースを飲む 顔に飲み物が入っていく
スタバのよくわからない飲み物
君と同じにした飲み物 それを手に
ライムの香り 君の本棚の手前で立ちすくむ
もしも私の気分があっちこっちしてしまうのなら
それは少なからず君の影響であり
だけどもそれで咎めたりなんかできないのだ
あの日 本棚で感じた気分は 希望だったはずだよね
本当は嘘が苦手なのは私だけで
今日もまた埠頭から出る船を 一人だけで
見つめるのかもしれないが
それはさすがに かっこつけだし
家ですべてをやり過ごすんだ
雨の日の午後みたく
作品データ
コメント数 : 4
P V 数 : 704.6
お気に入り数: 1
投票数 : 1
ポイント数 : 6
作成日時 2022-11-18
コメント日時 2022-11-19
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 4 | 4 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 2 | 2 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 6 | 6 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 4 | 4 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 2 | 2 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 6 | 6 |
閲覧指数:704.6
2024/11/21 22時45分25秒現在
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何かの比喩かもしれませんが 体でも胃でもなく「“顔”に飲み物が入っていく」と、 目で見たままの光景を捉えて表しているところが 「嘘が苦手」というフレーズに具体性を与えていて、 存在感があって好きです。 失礼な言い方に聞こえてしまうかもしれませんが、 個人的に、一見思い付きそうだけど思い付けない 絶妙な表現だと感じました。 ポップで柔らかな質感の中に鋭利さもあって (タイトルからも)Spitzのような印象を受けました。
0嘘が苦手、な主人公はもう一方の存在の心を伺い、きっとなにがしかのずれを感じ、希望を本棚で見つけたはず、だったが違うのか、埠頭で船を眺める行為に海路を開く心が兆せど、カッコつけてるな、と感じる自意識も過酷すぎず、人間の平凡な事実として孤独が描かれ、内省的でありながら落ち着いた人物の心が描かれて好感でした。
0Snydamさん ありがとうございます。「絶妙な表現」、嬉しいです。
1湖湖さん 「内省的でありながら落ち着いた人物の心が描かれて好感でした」、ありがとうございます。これからも頑張ります。
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