水仙 - B-REVIEW
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PICK UP - REVIEW

ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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水仙    

うつくしい人はしかし、彼の恋人を抱き締めることができなかった。近づくたびにゆらめいて姿を消すばかりだった。くちづけすることもできなかった。空しく水を飲むだけに終わった。そうして溺れてしまった。あれは身投げではなかった。 湖畔にかぐわしい花が咲いた。水面を見つめて小首をかしげるそれは、何者をも受けつけず、しかしすべてを誘惑し続けている。今も尚。 誰も彼に、ほんとうの意味で触れることはできない。ひとたび喰らえばたちまち彼のからだは手ひどい嫌がらせになって血管を駆けめぐる。みんな道連れだ。みんなみんな。 にもかかわらず彼を愛してやまない彼女は、彼のからだを残酷にも擂りつぶしては、滴るドリップをその身に浴びるのだ。懲りもせず。


水仙 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 5
P V 数 : 954.6
お気に入り数: 0
投票数   : 1
ポイント数 : 0

作成日時 2022-10-06
コメント日時 2022-10-17
#現代詩
項目全期間(2025/04/10現在)投稿後10日間
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2025/04/10 13時26分40秒現在
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    作品に書かれた推薦文

水仙 コメントセクション

コメント数(5)
三浦果実
作品へ
(2022-10-06)

淡々とした韻があってそれぞれの連の余韻のつくりが心地よく残りますね。この書き手さん新しい人なのかなと気になり過去作品も全部読んだんですけど、全部読んでよかったです。

1
秋元ささき
三浦果実さんへ
(2022-10-06)

ありがとうございます。これからも精進いたします。

0
エイクピア
作品へ
(2022-10-07)

ナルキッソスの物語と言うのか自分の顔に恋したのか、身投げでは無いと。タイトル通りの「水仙」と言う実在する花。水に映る自分の姿にと言うギリシャ神話なのか、ちょっと忘れましたが、後半独特の話になって居る様な、「ドリップ」など血管を駆けめぐるなど、詩想で、大いに参考になると思いました。

1
秋元ささき
さんへ
(2022-10-07)

ご指摘ありがとうございます。

0
勉強します。ありがとうございました。いろいろと迷惑をかけました。
作品へ
(2022-10-17)

ギリシア神話を彷彿とさせるが、その域を出ていないとおもわれる。秋元さん本人の事柄を内容に含めると重層的なものに仕上がるのではないか。

1

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