認識の後に別の認識が続く
時に僕らは前の認識を思い出す
どちらの認識も間違っていない
思い出される認識
たった今過ぎ去った認識
今の今おこなわれている認識
どれも間違ってはいない
新幹線の駅から聞こえてくる
故郷の駅名
ああかつて少年だった僕
そしてまた青年だった僕
三十代になった僕
それぞれの時代に
僕はどれだけの認識をしただろう
認識の数だけ成長し新しくなる
認識は人間の一生の希望
駅の前にも白蝶が飛ぶ
それは希望や関心を蕩尽した僕に
再び希望や関心を注入してくれる
何かに出会うことで情熱が芽生え
僕らはまた
認識ということを再開するのだ
遠い遠い故郷の名前
遠い遠い認識の数々
思い出される認識の数々
失敗に至った認識や成功に至った認識
それらのどれもが誤りではない
駅の前にも白蝶が飛ぶよ
お前の羽はお前の体をどれほど宙に
舞わせることができるのか
お前の羽は僕の認識に似て
どれほど僕は舞うだろう
作品データ
コメント数 : 8
P V 数 : 1089.8
お気に入り数: 2
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2022-10-04
コメント日時 2022-10-18
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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2024/11/21 22時49分17秒現在
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認識は人間の一生の希望 そう思って、読書をつづけています。
1私は駅前の酔っ払いのような己の醜さを認識された上で、そこに白蝶の美しさを見出だされたかったけれど、酔っ払いが醜く白蝶が美しいという認識を既に持っている時点で、それを知覚した原初の体験を無かった事には出来ないと気付きました。 これまでずっと精神に潜り込んで、概念を吹き飛ばそうとしていたけれど、解決すらも弾き飛ばされました。 その後、B-REVIEWという世界を彷徨う中で、自損して即自を損ない続ける事で存在しようとした私を叩きのめして酔いを覚ます、強い身体性と精神性を持つ詩を書かれた恩人と出会えました。 その瞬間初めて、私が己に見出だせていなかった白蝶の姿を、酔っ払いの姿とは別に見て下さっていた、サルトルの否定した神様の存在を知りました。 本気の対他を経て対自存在に到る事が出来たと感じ、己に一応の決着を付けられたと思っています。 メルロポンティの教えを私なりに解釈しました。 私の今までの全ての認識を否定しないで下さってありがとうございます。 こちらの詩が、私が起こした小さな現象、私というちっぽけな存在への肯定だと自惚れた認識でコメントさせて頂きます。 これからは、過去の己を殺そうとするのではなく、世界と向き合って認識の羽を成長させていこうと思います。 美しい詩をありがとうございました。
1認識に対する考察ですか。認識を通じての成長。過去の新幹線や駅の思い出や認識。誤りではないと言う確認。最終連の白蝶を通じての認識レッスンが印象的でした。
1認識するということはとても愉快なことですね。書物を読むことも認識の一つの形です。詩句を拾い上げて下さりありがとうございました。
0お読み下さりありがとうございます。人間も他の動物も、一瞬一瞬を全力で生きざるを得ないものだと思います。たとえ結果が失敗となったとしても、そうなるしかなかったのだと思います。 メルロポンティについて私も勉強を始めたところです。きっかけは、詩のことが語られる時、しょっちゅう「身体」という言葉が使われるので、この語については押さえておこうと思って「岩波 哲学・思想事典」で「身体」という語を引いてみたところ、メルロポンティという人がどうやら重要人物であるらしかったからです。 「認識」という語も本当はとても難しい言葉であるとは思いますが、この拙作では今のところ自分に書けることを書きました。今後、この語についても勉強したいと思っています。
1コメントありがとうございます。ちょっと過去に続けてきた認識に思いが行きがちな書き方をしてしまいましたが、認識はこれからも為され続けて行くものです。未来におこなわれるであろう認識を白蝶に託してみました。
0〈認識〉という言葉がどの連でも執拗なほど繰り返されてる。 その連続も内容と相まって〈認識〉の微妙な変化を表しているようである。 それぞれの〈認識〉は駅前に存在する。新たな目的地を目指して。
1美しくコメントを書いて下さりありがとうございます。雨の中を進むような進行感が伝わるといいなとは思っていました。認識という語を多用しました。読み進めていく過程でそれぞれが進行感をもって受け容れられてゆくならば、この拙作も少しの成功を得たのだと思います。
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