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えらばれない
国に葬られる、武道館にて全国生中継、偉い人から順番に遺言を読み正座をして並ぶ、貧しい人から順に恨み言を言って頭を打ち抜いていく、黒い頭巾は被せないまま、赤いジャムやワインを思わせる脳や血液を撒き散らす、暴動が起きて機動隊はそれを阻止する、SPは守る物が無いから帰る、怒号が飛び交う中で冷静な声が突き抜けて私の耳に入り込む、「ここからはじまるんだ…」と言い残し声だけの主は消えてしまった。そりゃそうだろ、見て分かる。だけどまだ私の人生に関係ない、動かせるものじゃない。 鯨の背中を登っていく、裸足でも感じる肌の光沢、登り切った先では苔から草や野花が咲いていた、珍しいモノは生えていない、どれも陸でも見かけるモノばかり、寝転び空を見上げるが何も飛んでいない青い空、そのまま顔を横に向けて水平線を見る、ここは地球だ、なんとなく遠くが丸く出来ている、ひたすらに青く何も無い、小さな私が、小さな生活の中に宇宙を感じてみたかったけど、鯨も、草や野花も、挙げ句の果てにはこの地球すら私に宇宙を感じさせない、この景色を美しいという人達の感性はきっと死んでいる、素敵と思える自分だけにしか関心が無い、感動で涙したとか何だよそれ、何も見えないじゃん、泣いて誤魔化すな、そんなに動きやすい心がある、感じやすい心があるふりをして、脊髄反射にハートを重ねていく毎日、多感な死人ばかり。 どこかで見たようなものは、似たような場所でスポットライトが当たる、この光景は派遣先の食品工場のラインで見ている景色と一緒だ、形の無い筈の詩が自由と言われながら肉付いていく、やがて声を発して喋り出す、わたしはこういう者ですと何人にも話しかけてくる、印象で塗り固められていく、自由な筈の詩にあるべき姿がこべりつく、形の曲がったもの、剥げたもの、裂けたものだって味も変わらなくて美味しいのに、ラインでは不良品として弾かれる、それと同じ事が行われている、ズブ濡れのアウトローが段ボールの白猫を見付ける、お前も同じかと語る彼に、猫は選別をしている、好青年の傘しか受け取らないし、拾われる気持ちなんて最初から無いって事。スポットライトを既に輝いているものに当てているなんて馬鹿みたい、何時までそうしているの、当たらないだけで輝いている人、輝くべき人は沢山いるのに、いつまで続けているの、多様性とか口にしないで、選ばれないものに心を向けられないあなた達に言う資格なんてない。頭を打ち抜いていくから順に並んでいけ、この有り触れた景色が愛しいんだろ、眺めて死んでいけ、ちゃんとスポットライト当ててやるからさ。
えらばれない ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1369.9
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 6
作成日時 2022-09-30
コメント日時 2022-10-28
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 2 | 2 |
技巧 | 2 | 2 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 6 | 6 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 2 | 2 |
技巧 | 2 | 2 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 6 | 6 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
(作者が意図していようとなかろうと)インパクトを与えることが考えられていると、いや、そう読んで判明するだけで、いや、正確にいうとそういうふうに読まれてしまうのは書きが下手だということ。私みたいな読者は直ぐに飽きてしまう。最初だけ読めて、最後まで飛ばし読みしてしまった。文書表現だけでなく、すべてがそうだけれども、内容よりも、どう見せているか、どう読ませているかに技が出る。と、コメント書いていて、大変失礼だなと思いました。すみません。
1犬派は嫌いで猫も好きな人はもっと嫌いなんだっけ?寄ってくんなよ。チュールでも啜ってろや。お前も列に並んで死んどけや。
2上手いなと思いました。それ以外の感想は、あまりありません。すいません。正体が知りたいだけです。ごめ➰んね。
0ありがとうございます。えらばれない事について書きました。正体は私です。
0現実と夢は、意識と無意識のように、相補的だと思います。だから、この詩に出てくる 鯨の背中という、否定される景色にしても、一度夢見たことがあるから光景として 思い浮かべられるのではないかと思います。この詩では、えらばれなかったということ が主題だということですが、たとえば夢の国フェナリナーサの王女であるミンキーモモ などは選ばれた人です。現実は、選ばれなくともやって行かねばならない、選ばれなくても 知ったことか、やりたいようにやるぞ、という強さが、大杉栄などのアナキズムを 最近読んでいるので、強く共感しました。それで、僕に現実を変える強さ、現実の 中で抵抗する強さがあればいいのですが、諸事情により弱い自分なので、もっと 共感できるところなのに、実践していくことが難しそうというのが現実で、 夢の中にしか満足を見出せない自分がもどかしいという感じです。でも、見ているだけでも、 精一杯やりたいし、なるべくなら欲望の強さを絞れるところまで絞り切ってやっていきたい と思ったところです。 二句詠みました。 現実に飽き足らないから夢を見る 一度でも夢見たものは忘れない
0ちっちゃい目標や、大きな夢、野望なんてのがありますが、実力や才能は勿論、運や人格もかな、そんなのも絡んで、私のそれらをアッサリ持っていく人がいるのでたまにめげちゃいますね。ネットって自分の上も自分の下も簡単に見せ付けてくるので、板挟みにされて苦しいときがあります。比べないことが必要で、以前よりは出来てきているつもりですが、やっぱり悔しいってことはあるので書きました。
1もうひとつの作品よりは熟れて構成も分かり易いものです。 この景色を美しいという人達の感性はきっと死んでいる ここに惹かれました。僕は多分、そうではないけれど、貴方は抗える人ですね。 作品としては散文と改行を混ぜて緩急をつけた方がいいんじゃないかな。しかし、それだと緊張感は削がれるかな。後で試してみよう。 或いは見る限り散文的である必要はないのでもっとぐちゃぐちゃに区切られたセンテンスをシャッフルしても面白いと思う。
0私がどうしても理解が出来なかった人の作品を皆が良いだとか涙したとか言うんです。いや、こいつの作品の中では凡作だろ!も無い。あー良いですね…素敵ですね…ばかりに見えたので、これは感性が死んでるんだなと思い入れてみました。 最近は、韻から日記みたいな日常生活を詩にすることがあり、段々と散文の方が馴染んできてしまっています。改行もしてみたんですがしっくり来なくてこの形にしました。漫画のコマみたいなパッパと切り替えてくような、その方が似合っていたと確かに思いました。 シャッフルですか…改行詩のリハビリとしてこの詩のカットアップをすると良いのかもと思いました。
0詩は理性なのか、感性なのか。表現の虚実に確固たる境界が存在するのであろうか、等々と悩みつつも。 拝読をさせて頂きました。 私達現代人の嗜好がより過激な表現を希求する理由の一つと致しまして。実体験としての暴力を経験、或は直視する契機を失ったことにあるのでは、と思っております。 つまり、実態的な暴力ではなく想像上の暴力を大量に生産、消費をしているという事実。 此れが厄介でございますのは。 想像には現実的な限界が存在しないことでございまして。貪れば貪る程に――或は麻薬中毒患者の様に――、求める刺激性がエスカレートをして行くのでは、とも。 類例を論いますならば。野田秀樹史の戯曲「the bee]を髣髴と致します様な、問題意識を覚えました次第でございます。 そして復、一つ、気に掛りました事を。 例えば「青い空」という表現、修辞が退屈なのか、現実世界の「空」に感動を覚える存在主体を指して退屈であり、「感性が死んでいる」と仰っていらっしゃるのか。 此処は重要な問題であると思い、言上げをさせて頂きました次第でございます。 多分、死者の範疇に定義され得ると思われます、自身の読解力に失望しつつも。
0ありがとうございます。 お答えになるか分かりませんが 個人としては暴力(喧嘩して殴られる。腑に落ちない大説教) 強い刺激(震災被害地だった、仕事柄死ぬ人を見ることがあった)等がありました。 多少は経験してるとは思いますが、それでもエスカレートするのは こんなん嫌だなーと思いながらも欲しているのかも知れません。 例えがおかしいですが黒帯の人の蹴りを食らってみたくてお願いしたこともあります。 スタンガンに触れる機会があった時は太ももに当てたことがありました。 バカだと思うんですけど、一本線な日常に尖りが欲しいからやってしまったのかもしれません。 今はそんな所から離れています。 かつてはそれでなんか悶々としたものを中和したかったのかもしれません。 それか単にハードコアパンクが好きなのでこうなりやすいのだと思います。 ポップソングの生きろより、ハードコアパンクの生きろの方がなんか強くて格好いいんですよ。 私は好きなバンドの作品は全部好きみたいな人が嫌いなので、これは空に感動を覚えちゃう奴が感性死んでんじゃない?と言ってると思います。 …なんか難しいです、あなたの言うこと素敵です系のイエスマンはダメ だと思っています。 むしろ、その人を見てないし考えてないような気がするんです。
0拙い駄批評に、レスポンスを賜りまして嬉しく存じます。 まあ色々と体験をしていらっしゃる……。 肉体感覚をなおざりに為されている訳ではなさらないようですから、安堵を致し、また納得も致しました。 そうですね、 ロックやパンクの精神から致しましたなら、「空が美しい」とか安穏と言ってるんじゃねえよ、という感覚もむべなるかな、と腑に落ちました次第でございます。 私自身、生来の「花鳥風月推し」でございますので。聊かばかり聞き捨てならぬ精神が奮起を致してしまいましたものですから。 何卒、ご容赦くださいませ。 どうせならば。 凌ぎ合いこそすれ、 個々人の価値観を潰し合わない様な場であり続けて欲しい、とも生温く願いつつ、筆を置かせて頂きたく存じます。
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