細切れの思い出
ぱらぱらとめくり
冷えた肌に
触れるものはない
空を吸い込むと
ぴきぴきと
肺に罅がはいって
血の音ばかり
耳の奥で
騒いでいる
沸騰した背中から
飛び出そうとする
声を聞く人を
探しているような
気だけしている
きしむ木張りの床
座り込むと
ぼくは
ばらけてゆき
生きていることの
区別さえ
つかなくなる
どこでもなく
だれでもない
骨の浮いた肩に
置かれた手を
徴にして
存在は
収束してゆく
海のにおいがする
命にも似て
やってきた足音
ひととき
生きていなかった
ぼくは
そっと息を取り戻して
ふっと後ろを振り向く
すると
君がいる
誰でもいい君のために
誰でもいいぼくは
行き場所を
なくしてしまった
窓に当たる風ばかり
聴いているひとは
もう孤独から
手を離されてしまった
ただぼくは
ぼくである
だけなのに
作品データ
コメント数 : 3
P V 数 : 727.8
お気に入り数: 0
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ポイント数 : 0
作成日時 2022-08-01
コメント日時 2022-08-08
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
閲覧指数:727.8
2024/11/21 21時31分30秒現在
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生きていることの 区別さえ つかなくなる そんな気になったことがありません。
0そうですか。
0何か自分にとって嬉しいことが沈んだとき、君がいる。憎しくないのに何が足りないんだろう? 色んな固くなった塊が、綺麗な色になって解かれていく。
0