あおばのそこにさなぎのからが みあたりませんか
ツギハギだらけの夕間暮れ
しめやかに、縛り上げる
花について離れない。あわいだけのゆめでした
爛れただけの腕で皮膜のあいだを透いて
「すき、きらい、」
ふみつけた小指が赤い糸で結ばれている、
苦虫だったらよかったのに
エメラルドグリーンの雨が上がり
焼け焦げる 頃合いを見計らって、
笛が鳴る 渇いた煤をずるずると啜る。
散々口を塞いだくせに、
今でも生きている気がするから
おなじぼくのはずなのに きみのすがたがあった
どこまでも澄みきった空に翔んだ(抜ける声)
この水面をゆらす、ゆれて『こだま』する
元より同じ場所に立ってるつもりも気もなくて、ね
確信に触れないインクを消し 連結を怠る初春を噛んで
プッシュピンのコルクボードに乱雑にはりつける
道に迷った思い出はただうるさいね
これが後者とあれば わたしは部外者だろう
いつかのフィルムカメラ ただ色褪せない
はいてうすよごれた、ぺたんコぐつ 片方だけ減って
ありあわせのカフカ 街灯にヤられる
わたくしたちコフィンの庭へ、
頬ずりして、
雑草のように花を咲かせて「それでは さようなら」
喚起の――雄叫び、怒鳴り 張り裂け
歓声の――華やぎに、酔い痴れ( )に堕ちる
毒にも薬にもならない先細の白樺に
擬鳳蝶蛾がいた
子供じみた感情を手塩にかけ
感覚を麻痺させ、更に盛り上がり
内情を打ち明けくぐり抜け、飲み込めずに
今日も また 死んだ
一立法ヲセンチは 死臭『喝采』
見知った天使は奇跡を抱え そして掻爬している
わたしが、
わたしは、
まだ砕かれ まだ潰される、
わたしの知っている 自分でないものが、
私が私として[心]乱されることを知って
いる
「i know it is.」ムチャクチャなのは 分かってるわよ
『ない。』
〈躰、蝋〉
違う!
「I'm unstable.」すべてがとても不安定でありました
私は信用できない。
足が地についてない、
"見つからない"
迷子になってもいいんだ
失わないように
愚か者と英雄の浪漫なんて平凡譚を
たったそれだけの思い込みのみちにのせられた
バフォメットの無名指
作品データ
コメント数 : 4
P V 数 : 935.6
お気に入り数: 1
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2022-08-01
コメント日時 2022-08-02
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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エンタメ | 0 | 0 |
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2024/11/21 21時36分20秒現在
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迷子になってもいいんだ 失わないように そんなこと考えたこともありませんでした。
0この先に、見合う変化と受け入れるには、やはり勇気と覚悟がいること、と常々考えています(お読みいただきありがとうございます。)
0パフォメットは異教の神なのですね。足が地に付いて居なくて、信用できない私を戯画化した言い方なのかもしれませんが。一番最初に蛹の殻を探している。花占いを軸にしたフレーズ群(二行目から八行目)など解釈したくなるフレーズ群が多いと思いました。
0バフォメットは己として他者に具有します 欠陥を用いた崇拝の擬人化で 薬指というモノだけにそれを提示します(今自分のものから読み解きました、これは一例です)答えは最初から存在なく、それを求めるようにも書いてません。あまり深いこと思わずなにかしら感じていただければ、それで有り難く、なにかしら反応があると嬉しく思っています。エイクピアさま、お読みいただきありがとうございます。
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