冷蔵庫からだしてすぐだと痛い
沈みこむ昆布、煮干、椎茸、鷹の爪
手にまとわりついてくるにおいと粒子
【ははの記憶】
〔はは〕は〔ばば〕からうけついだ
キッチンの床下収納 米のとなりに
タッパに詰まった
〔ばば〕はいつもかきまぜていた
そうして胡瓜や茄子や人参やを掬って
いつも薄く切ってくる しかし不規則な
蒼い陶器のうえに並んだそれを
〔じじ〕は食べていた
きょうはすっぱすぎる、とか
きのうよりあまくなった、とか
むつかしくないことばが ならぶのだが
あたしには判らなかった
【ばばの記憶】
〔ばば〕は〔そのまたまえのばば〕からうけついだ
わたしにもわからない〔ばば〕の〔ばば〕
さらにそのまえの〔ばば〕から
ショウワ、タイショウ、そして太古まで――
いつからあったの? と〔ばば〕に訊くと
知らん、と云って
また胡瓜を掘りだして糠をぬぐう
作品データ
コメント数 : 2
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作成日時 2022-05-02
コメント日時 2022-05-02
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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2024/11/21 20時50分12秒現在
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また胡瓜を掘りだして糠をぬぐう その繰り返しですよね。
1そのとうりです。永遠に繰り返す、たとえ持ち主が死んだとしても。
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