別枠表示
眼
不安の概念で、膨らみ上がった、その渦は、かつては大腸と呼ばれるものだった。月明かりを見て、蛆虫は、大粒の涙を、ひっきりなしに、零していた。黒塗りされた写真の上に、僕は、小さな、小さな街燈を、植えようとして、いつの間にか、その写真の中に立たされ、時を止められる。墓の下に、吊るされた風船。へその緒に、繋がれた受話器。犬のような、暗い街角に、ねじこまれた扉には、口と肛門の、役割を、与えられていて、顔すら、持てないままの蝿が、ひくついた穴を、すり抜けることができる。家路が、生きた迷路になり、月が、徐々に拡大される。垂直に、眠る鯨を、丸ごと飲み込んだ氷山が、今でも眼の上で、震えていた。その眼を撫でてやれば、その眼は消えるだろう。僕はいつか、君に、愛して、いると、嘘を、重ねていた。君もまた、同じように、愛して、いると、繰り返している。古傷は、忘れられた、玩具のように、蜘蛛の巣の上で、煌めいてほしい。影たちは、輪郭から脱獄を、試みてせり上がり、今日も、失敗するから糞だ。
眼 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1130.0
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2022-01-02
コメント日時 2022-01-23
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
愛の告白ごとを挿入されてる箇所、ルミナスラインをとても感じました。 余談ですが、黒丸の作品を出された後、2022年の類さんの詩論を楽しみに待ってます.
0ありがとうございます。 ●連発の作品は一発芸のようなもので、展開させるのは今の時点では難しいですね。 持論についてはあの当時にあった自分の思考を整理するために書いたもので、今回を機に読み返してみたのですが、多少違うところも出てきました。 私はここビーレビを実験の場にしているので、詩論通りの作品ばかりを投稿しておらず、矛盾を感じられる方も中にはいらっしゃるのかもしれません。 私は本来は漫画家を志している人なんですよ。言葉とは表現の最小単位として捉えていて、全表現の根本的な役割を支えていると信じています。詩とは何か?と思考を深めることは、漫画表現にも通ずると思っています。 それは詩の内容をそのまま漫画にするといった、単なる変換作業ではありません。もっと根本的な深いところで、私の欠けているものは何かと作詩を通して探しているのです。 私は一つの答えに辿り着きました。 それは「信頼」です。 人の信頼を得るということは、難しいということ。 私自身作者としての信頼の問題ではなく、 作品と読者、語り手と聞き手の間における信頼関係のことです。 例えば、今回の作品「眼」でもそうで、全てのフレーズが、いきなりなんですよね。聞き手にとってしたら、いきなりそんなこと言われても……と首を傾げても仕方ないと思います。全てが結論の連続で、そこに至るまでの過程をすっ飛ばして書いているのだから、非常に不親切な作品であると思います。 なので、書き方を変える必要があると思い至りました。 ひとつひとつのフレーズを信じてもらうためには、どう書けばいいのだろうかと考え直す必要があると思い至りました。 ひとつのことを、信じてもらうために、ひとつのことに重きを置いて、書いていくのがいいんじゃないかと今はそう思っています。 世の中には、本当のことを書いているのに、全く信じてもらえない人がいる。なのに、全てが嘘っぱちなのに信じてもらえる人がいる。 この事実はとても重要な事です。 ありがとうございました。
0何が悔しいのか分からないのですがありがとうございます!
1