アスファルトに立つ
白い素足
底の抜けた青
すべてを拒む白い指
針が震える
空間にかたりと
目的だけが響く
輪郭の境をさがす
掻き混ぜられた色の群れが
たしかにそこにある
目を閉じて
まぶたを駆け回る
モノトーンの猫
痛みだけがここにはない
ひとしずく、赤が落ちる
風がやわらかく冷えて
ジーンズのすそから
世界がとじてゆく
茜色の瞳が
じっとこちらを見ている、ような
わたしは蟻の一匹を
気にかけるようなことがあったか
触れ合った指先が
溶け合ってゆくように
光が手渡した境界も
真のものではない
夜が来て
あなたはわたし
私はあなたであるように
ひとつであることを
知らぬままに拒否している
温い泥に足を埋め
肌を喪うことも無く
立ち尽くしたまま
アスファルトだけがまだあたたかい
実感の上に佇み
指先は空をつかんだ
作品データ
コメント数 : 5
P V 数 : 1520.8
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 2
作成日時 2021-09-05
コメント日時 2021-10-04
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 2 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 2 | 1 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 1 | 1 |
閲覧指数:1520.8
2024/11/21 20時57分01秒現在
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色彩のある昼の世界と色彩と輪郭の消えた夜の世界が対比されているんだと思いました。 「ひとつであることを 知らぬままに拒否している 温い泥に足を埋め 肌を喪うことも無く」 この作品にメッセージがあるとすれば、ここに一番強いアクセントがあるのだと思いますが、「温い泥」「肌を喪う」といった独特のレトリックが何を表しているのかがちょっとまだ読めてないです。 作品のなかで頻出している「指」のモチーフですが、これが「手」ではないところに、世界に触れるときの繊細な手つきが表れていると思いました。 なんだか「思いました」「思いました」と小学生の読書感想文みたいな文章になってしまいましたが、面白かったです。
0「ひとつであることを〜」の連は「輪郭の境をさがす〜」と一緒に読むといいかもしれません。
0色のある世界が普通であると人は思っている様な気がします。 犬は青と黄色しか識別出来ないという話もあったような。 猫は青と黄色と緑が見えるみたいです。 昆虫は色が無い世界で生きているとか。 作者が、 目を閉じて まぶたを駆け回る モノトーンの猫 痛みだけがここにはない という部分が私は興味深かったです。他の文章と違ってここだけモノトーンなので、かえって目を引きました。 モノトーンの世界の方が安心するのでしょうか。 色が見えるいうのは、それだけ刺激が入ってくるので。 刺激が強すぎるから、モノトーンの世界だけが痛みを感じないでいられるのかなと。 色のある世界とモノトーンの世界の対比に考えさせられました。 興味深い詩ですね。
0私は時折呪ってしまうのです。
0詩情が途切れ途切れで、行分けのたびに死んでいる。筋の通った世界が欲しいところ。
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