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ほうけだましいの歌
秋の小雨にふられつつ 感情が苛々、尖ってゆく 一本の鉛筆 わたしの頭の中 妻の卓の上のように乱雑だ 赦されず 癒されず 煙草を喫っても何も解決はしない そうわかりつつ 一服一服吹かすのだ 外国よりとおいベランダで わたしはふりかえり 悪魔の 柔らかく 硬い 腕の血管が透けている手は ふるえ を止め わたしは純、になるようにつとめる いま、それは苦行だよ こんな詩だって飽きてしまって しかし書けばまだ心はおさまるのだった いま 死はとおくあり 以前のように混乱していない 覇気がないというのも真実だ なぜって全部やめちゃったもの 全部って何? 全部はぜんぶだよ 雨はやまないか ひとは退屈で死ねる こころもちで死ねる わたしは、僕は、もう書きたくない 今はそう書いて精一杯だ
ほうけだましいの歌 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1280.0
お気に入り数: 1
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2021-09-05
コメント日時 2021-09-23
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
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技巧 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
田中恭平様 はじめまして。 今作の「ほうけだましいの歌」と前作の「秋の朝」が、今の私には、田中様の作品との最新の出会いです! 音楽や絵画、書や文学など、芸術家が、その作品を創造するのは、生半可な生き方では成しえないものなんだと、その作品に触れて感動したり、また彼らの伝記を読んだりして知って来ました。 これと全く同じなんだなと、あなたの作品に触れて強く感じています... ほうけだましい... 大人になればなるほどめったに出会えないような、純粋な魂の歌だと私は感じています。
1この詩はまだ諦観しきれてないから失敗作だった。次に譲る。
1YUMENOKENZI様 あなたのコメントに関して、熟考していました。 確かに私の生活といおうか人生は、今ストイックで求道者のような ものかも知れません。 仕事も、プライベートの環境もそうでありんす。 しかし、それは失敗だったかも知れないとも思っています。 というのも、今、生きている現実は、求道者のような人生は かつて、私が、潜在意識で求めたものだ、と思う。 オカルト、ではない、ひきよせの法則ですな。 しかし、人間、そんな人生を生きるべきではないとも思う。 疲弊するし、辛すぎる。 今は、楽しく、生きていきたい、だらだらと。 コメントありがとうございました。
1「外国よりとおいベランダで」がいいですね。 私はタバコを吸わないので、ただぼーっとベランダにいると不審者っぽいので、 外国より遠いところに行きたいけど、行けません。故に憧れます。 「ひとは退屈で死ねる」 とてもよくわかります。それでも、退屈を感じられる、というのは なにも感じないよりまだいいのかもしれません。
1田中恭平様 私のコメントにご返事をいただけ、大変光栄です。 求道... やはりそうであったのですね! 言葉、詩作への飽く無き挑戦の、孤独な日々を歩いて来られたのでしょうか… 投稿されている、あなたの作品をすべて読み終えてはいませんが、 ここ最近の三作を含め、数片を読みました。 そこには、あなた自身の日常の出来事や、悩み、辛さ、それから楽しみなどが、 とても赤裸々に、ユニークに描かれていて、私も一緒に辛くなったり、微笑んだりしました。 詩の世界の、本物の芸術家に出会えた喜びを隠せません! どうかあなたの心のままに、生きてください、楽しく! だらだらと! 私も、そんな生き方でありたい!
1決して過剰に書こうとしない、抑制を感じる。詩を書くことが、話者にとって自己救済であり、脳内に棲む一匹のノイズのようなものを丁寧に切り取るその手腕は確か。作者にとって詩を書くことは日常を平坦化させるために必要な儀式であるとも思った。二連目が良い。煙草の無意味さを知りながら、煙草を吸ってしまう、素直な弱さに共感した。もう書きたくない、それでも書いてしまうんだろう、煙草のように。
1疲れた時は書きたくない時は書かないでいいと思いますよ。無口をくくり、自然の音に身を揺らせて、ただ癒されればいい。流れていく雲や風や青葉、雨の音、そんなものに抱かれて、森に包まれたりなさるといい。私は半年くらいしゃべらなかったことがあります。外国より遠いベランダ、はよい表現です。 語ることが無力だと知ることは悲しいことです。深い沈黙のためにこそ語る、とも言いますけど。名曲、サウンドオブサイレンス、とか。
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