覆水も お盆には かえりますか? - B-REVIEW
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PICK UP - REVIEW

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きょこち(久遠恭子)

冬の手紙

居場所をありがとう。

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きょこち(久遠恭子)

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きょこち(久遠恭子)

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ベテルギウス。まずそれに注目する感性もですが、詩の内容が衝撃。 猫。木。家族。犬(のようなもの)。女の子……。など、身近にあふれている極めて馴染み深いものベテルギウスというスケールの大きいものと対比されているように感じられました。

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覆水も お盆には かえりますか?    

その橋の欄干から身を乗り出し 清らかな流れを キヨコさんは見ていました 凪のせいでしょうか 賑やかな繁華街を抜け出し 元安橋は 陽の光にあふれていました 「このあたりは ながいこと ほんとうに臭かった」 なにもかも 覆された街 木々は煤けて 人々も爛れて あれから古地図を買いました 私には架空の街 廣島 キヨコさんに おやさしかったお父さまも いらした街 あの日 あの橋から身を乗り出し 悪臭を思い出す前の ほんのわずかな瞬間のことですよ  キヨコさんは 笑ってはいませんでしたか?少女のように すぐに 凍りついてしまわれましたが



覆水も お盆には かえりますか? ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 22
P V 数 : 3031.0
お気に入り数: 1
投票数   : 0
ポイント数 : 10

作成日時 2021-08-05
コメント日時 2021-09-27
#現代詩 #ビーレビ杯不参加 #縦書き
項目全期間(2024/11/21現在)投稿後10日間
叙情性43
前衛性00
可読性32
エンタメ00
技巧11
音韻10
構成11
総合ポイント107
 平均値  中央値 
叙情性1.31
前衛性00
可読性11
 エンタメ00
技巧0.30
音韻0.30
構成0.30
総合3.33
閲覧指数:3031.0
2024/11/21 19時40分24秒現在
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    作品に書かれた推薦文

覆水も お盆には かえりますか? コメントセクション

コメント数(22)
キチガイの私
キチガイの私
作品へ
(2021-08-06)

こんばんは。 読んでいて、その場に居合わせたような感覚になる詩。こういう経験は初めてでした。ありがとうございます。

1
るる
さんへ
(2021-08-07)

八月六日に広島で開かれた式典で、毎年 小学生がスピーチをするのですが、今年は 「本当の別れは会えなくなることではなく、忘れてしまうこと」 という言葉がありました。思い出すことが、帰ってきてくれること。 小学生で挨拶をすることとなった子も、一所懸命に考えて その言葉を選んだのだと思います。AB さんのいっておられることと同じで、はっとしました。ありがとうございます。

1
るる
キチガイの私さんへ
(2021-08-07)

毎年八月には ヒロシマについて書こうとしてきたのです。 毎年、脳裏にまず浮かんでいたのは、この詩で描きたかった なにげないシーンのことでした。 今年は、 この詩の場に居合わせたような感覚を得たといっていただけて嬉しいです。 ありがとうございました。

0
まさ
まさ
作品へ
(2021-08-08)

「私には架空の街 廣島」 この言葉がとても印象に残りました。 歴史って当事者でなければすべて架空なんですが、 当事者の話や、 当事者から聞いて語り継ぐ人の話を耳にした以上は、 なかったことにはできずに、 想いを巡らしたり、想像したりする、 それが今を生きる人間に できることなんじゃないかと思いました。

1
るる
さんへ
(2021-08-10)

私は、ある年から 毎年 八月には原爆に対する詩を書こうと決めています。 どんな形であれ、戦争について考える時間を持とうと決めたからです。 広島は川の街で、市のマークも川がモチーフです。橋も数多くあります。 元安橋は そのひとつで、中心地にある橋です。読んでいただきありがとうございます。

0
るる
さんへ
(2021-08-10)

わたしも この詩は、よくあるシーンをとらえた平凡な詩であると思います。 しかし、通用しないとは どうのような意味でしょうか? この詩が、どのようなステージに通用しないと おっしゃっているのか わかりかねます。 私も人様の詩と比べて、この詩が優れているとは思いませんが、私は この詩で人様と優秀さを競うつもりはありません。実際の話、ビーレビ杯も不参加の作品として上げさせていただいております。 お目汚しだったようですね。失礼しています。しかし、私は 書きたいから書いたにすぎません。 ありふれたモチーフやありふれた書き方であったとしても 私は、書きたいと思うことを書きたいように書き続けていこうと 思っております。

4
るる
さんへ
(2021-08-10)

廣島を架空の街と言い切ってしまうのは、大胆だったかもしれません。 廣島には原爆が原因で、町名ごと消滅した町もあります。 繁華街の路地に、ちいさま碑があり 現在ではとても賑わっている場所に小学校があって、大勢亡くなったことを悼む碑が置かれていて はっとすることもあります。まるで、ぢかう景色があったに違いないのですが、想像するのに苦心するほど 現在の様子と開きがあることがあるのです。それでも それでも想いを馳せればかえってくるのかもしれません。ユーモラスなタイトルと言っていただいて ちょっとほっとしました。ありがとうございます。

0
るる
まささんへ
(2021-08-10)

詩には書いていませんが、当事者の方の心の傷の深さを、おもいがけず 感じ取ることが私にはありました。 そしてそれは、私にとって 受け入れがたいことでした。 ですから、この詩の なにげない風景を描けたことは、私には じつは嬉しいことなんです。 平和とか書かなくてはとかの意味でなく、今を生きるためには 過去は今の土台であるので、 必要なことのような気がしています。ありがとうございます。今という視点を得ることができました。

1
るる
さんへ
(2021-08-12)

丁寧な返信を ありがとうございます。 自分が体験したことない出来事を、つまり他者の体験を 自分のことのように「感じる」ことは、できません。だから、人様の体験を語るときは、注意が必要だというご意見に 私も 全くそのとおりであると思います。 私は、この詩で 作中の話し手が 戦争でお父さまを亡くされた方のお気持ちを おもんばかろうとしている詩を書きました。話し手は、原爆が投下される前の廣島は 経験のない者にとって【架空】であると、私は言わせています。つまり、私も 廣島でおきたことは嘘にしか感じられない。と、詩文の中で すでに語らせているわけです。 私は、この詩の中で 戦争の実相について なにひとつ語っていません。{たとえば、爆撃でやけどを負った痛みであるとか、子供を失う痛みや悲しみとかを}書いていないのは、そのような体験をしたのない私には、「感じる」ことが、できないことだからです。 では、人は 自分の経験のない事柄からくる他人の痛みの激しさを ほんとうに解ることはないのでしょうか?私は、人は 他人を分かろうとする唯一の動物であると信じます。 たとえば、事故や災害で たいへんお辛い境遇を体験をされた方が、PTSDとも思える反応をしめしておいでの場合があるとします。その場合には 他者にでも、ああそれほどまでに 深い傷を負われたのだなあと、おもんばかることができるではありませんか?心理カウンセラーでもなんでもなくとも、ふと ああ この方には 本当に深い心の傷がおありだと、感じることは あります。 私事となりますが、私は ある年に 一年のうちに三人(弟、父それと祖父)の血縁者を亡くした年がありました。そして、その頃にも戦争に関わる詩を書きました。簡単に内容を申せば<家族が同時に三人亡くなるということは、戦争だ。戦争とは、これが 世界規模で おこるということなのだ>という内容でした。そのときも 悩みました。戦争を知らないのに、自分でも生意気だと思ったからです。 この詩のいたらなさについても、これから ゆっくり 自身の胸のうちに 時間をかけて、悩んでいこうと思います。 たいへん参考になるご意見を いただきました。ありがとうございます。

2
るる
作品へ
(2021-08-15)

コメントありがとうございました。 広島の現在は、大雨後か 大雨中なのかの 瀬戸際にあるため。返信を しばらくしない失礼をお許しください。

2
るる
作品へ
(2021-08-17)

ご助言ありがとうございます。先人の詩は 少しづつ読み深めていこうと思っています。 貴方と私との会話に齟齬が生じているのは、貴方と私とでは 重点を置いている点が違うことからきていると思います。 貴方は、良い詩を書くには どのようにしたら良いかを語っておられます。そして、戦争というものは先人の詩人から学べと、私に助言をしておられます。  それに対して、私は良い詩を書こうとしてはいません。私は、リアルに出会っている戦争体験者の方と どのように接したいかを 書いています。それが解りたいために私がいままでにしてきたことは、読書ではありませんでした。より多くの普通の人々(詩人でもなんでもない人という意味の人)の証言を聞こうとしたり、資料館に足を運んだりというリアルに則したことを 見聞したいと思って行動してきました。それもこれも現実に生きておられる方とのコミニケションのための見聞と比べて、詩作のための勉強は 私にとっての優先順位が 低いかったのが、私の現実です。現実を打破するために、書いているので、「好きなように書きたいことを書く」といういう言葉を発するに至りました。そして、いまも ひとつの私自身の精神的節目を得たという点で、私は この拙詩を書いてよかったと 今も思っています。  しかし、これからは、すこしつづ 先人の詩人たちの描いてこられた戦争の詩も読み深めていきます。ご助言ありがとうございました。

1
夏村木
夏村木
作品へ
(2021-08-31)

空襲時は川やその橋の下に避難する人々が多かったと何かで見たことがあります。 それは空襲する側も知っていて、そこを狙って焼くと。 蛍の墓だったかな。 おぼろげですが戦争と橋といえばこれを思い出します。

0
夏村木
夏村木
作品へ
(2021-08-31)

すみません火垂るの墓でしたすみません。

0
田中宏輔
田中宏輔
作品へ
(2021-09-01)

悪臭を扱っておられるのがめずらしいと思いました。

0
きょこち(久遠恭子)
作品へ
(2021-09-23)

私はこの詩は、るるさんがキヨコさんという主人公に語らせる形で、身近で亡くなった方への追慕の気持ちを書かれた作品だと思いました。 亡くなられた方々へ、残された者が思う気持ち、それを書いたのだと思います。 私も身近で亡くなられた方々の事、よく思い出しますよ。

1
るる
さんへ
(2021-09-25)

"橋の欄干から”身を乗り出”"すに、注目していただきありがとうございます。 この詩には、モデルとなった方が 実際におられまして、"橋の欄干から”身を乗り出”"す動作を実際にしておられた姿が なぜだか とても印象に残っていたものですから、書かせていただきました。私も欄干から身を乗り出すことはありますが、通常であれば 魚つりの人が居るとか 鳥や魚を見つけたときですが、そのときは なにかが それらとは違っていました。

0
るる
夏村木さんへ
(2021-09-25)

夏村木さんコメントありがとうございます。火垂るの墓は、私も見たのですが おっしゃっているようなことが あの作品で言われていたかは、記憶にないです。けれど、廣嶋の原爆の場合は 相生橋という 美しい名前の橋が投下の目印となっていたという話は、私も聞いたことがあります。 日本の国土はほとんどが山で、人が集まる場所のほとんどに川があります。広島の場合だと、現在の市のマークが川をモチーフとしているくらいです。当然 橋もたくさんあります。原爆が落ちたのは たくさんある三角州の中でも その中心にある三角州でした。海までは かなりの距離がある場所でしたが、投下直後は 海が見えたようです。つまり、たくさんの建物がすべて焼き尽くされ、海が見えるようになっていました。そんなに燃えたのですから、爆弾による爆風と その後の二次災害の火事で かなりの灼熱であったことでしょう。 水を求めて 多くの人が川に 逃げようとした聞いています。かなりの火傷を負った人が急に水に飛び込むと、身体がかなりの打撃を受けます。川に飛び込んだせいで、すぐに亡くなったという方も多かったとも聞いています。

0
るる
田中宏輔さんへ
(2021-09-25)

匂いは、体験した方でないと 解らないことかも しれません。 この詩のモデルの方は、見ていたのではなく その匂いを嗅いでいたのかもしれません。

0
るる
きょこち(久遠恭子)さんへ
(2021-09-25)

きょこちさん コメントありがとうございます。亡くなられた方々へ、残された者が思う気持ち、私は それを書いたつもりです。 私自身も父を亡くしています。この詩のキヨコさんは お父様を亡くされました。 私も父のことは、よく思い出します。私もこの方も 父親のことが好きです。

1
きょこち(久遠恭子)
るるさんへ
(2021-09-25)

私も父親を亡くしております。 父に対しては色んな感情がありますが、亡くなってみるとニコニコしていた顔しか思い出せませんね。 なので、この詩は心に沁みました。 残された者が考えている内は、その方は生き続けるのかもしれないと思いたいです。

0
るる
作品へ
(2021-09-27)

きょこちさん お父さまの大切なお話をしてくださって ありがとうございます。 おもえば、私は この詩に於いて 自分の話を まるで書いてませんでした。 自分が欠落した詩でした。もっと 父に笑顔になってもらえるものを書くべきでした。 ふかい気づきをいただきました。ありがとうございます。

0
エイクピア
作品へ
(2021-09-30)

悪臭は強烈に印象に残ると思います。キヨコさんの見ている清らかな流れ。故人のお父さんも住んでいた町。最後の一行が示唆的ですね。笑うと凍る。少女から大人の女への脱皮を暗示しているのかもしれません。

1

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