僕の横を
聖火をかざして 走ってゆくの
僕と同じ 五体満足または不満足が
足元の広がりを
ストロンチウムで 染めてゆくの
コーヒーの匂いでいっぱいの
口腔を濡らしながら
粗挽きの キスを交わそう
未来永劫共通の
肉感的な心地良さで殴りつけられて
僕らは 平坦な砂漠に置かれる
西日が敷石道を照らした
ゴルゴダの丘を
無邪気に駆け降りながら
僕は
21世紀のイエス・キリストたちと
すれちがい
遊びを中断したとき特有の 間抜け面で
空を 仰ぐ
言葉が柔らかいだなんて 嘘だ
発語される 塊は
荒っぽく 先々を伸ばしていて
柄も刃である ナイフを持つことになるし
手に 杭を打たれるようにも なりうる
手元が
血みどろに ぐしょ濡れる
葉脈に溶岩を注ぎ
細い管は燃え上がって
灼かれた部分から
産声のような声が
上がります
転がっていた痛みが
微かに見える
聞こえる
歯で噛みしめれば
重力が 背中に募る
宇宙に浮かぶ
この青い球体に
僕らの悲しみは もう
背負いきれない
限界だ
僕は
ありったけの悲しみを
ノアの箱舟のように 背中に載せて
イエス・キリストのごとく
悲哀の総量を想って 泣く
2021年は
あいかわらず 残酷に浮遊している
僕が イエス・キリストの群れに加わるのは
いつだ
作品データ
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作成日時 2021-07-20
コメント日時 2021-07-20
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合ポイント | 4 | 4 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合 | 4 | 4 |
閲覧指数:1020.4
2024/11/21 19時47分42秒現在
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