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窓際の胸像
風は校庭を煽り 走り回る子どもらの 白い肌に砂を吹き付け 彼や彼女らを美術品にした 大いちょうから 黄色な葉は (Goodbye!Goodbye!) 無限に飛び出し みんな何処へ行く 逆上がり 宙返り なんのその 柵を越え 門限破り 怖くない 窓ガラス 割らない 監視員 居ないプールに 揺れる藻の サンドレス 腐蝕した パニエとレース 綿密な枝の影を巻き付けては 巻き付けては器用に臍帯をほどく 採餌する鴨 スケッチされた無邪気な石膏像たちは 熟れた木漏れ日のようにちぎれて 繋ぎ方を忘れたシュ・シ まるで桐箱のなかで干からびているアレのように 何故だか恐ろしくて 触れられない 煽る風が 恋煩いの指が 実らない 深く皺を刻む躰をいぢる 見つめた先で マラソンがつむじ風を生み 雨で柔らかくなった 純潔な雄の鴨脚から 百三十年目の落屑は嬉々として降る 永遠の自由時間を泳いで 何処へ行く 見るともなく見る 胸像の夢 黄色い羊を数えても (Good night!Good night!) 眠れない 洞に飴の包みを隠す悪党が居て 目が離せない
窓際の胸像 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1965.1
お気に入り数: 2
投票数 : 3
ポイント数 : 9
作成日時 2021-04-23
コメント日時 2021-05-10
項目 | 全期間(2024/12/04現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 3 | 3 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 3 | 3 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 3 | 3 |
総合ポイント | 9 | 9 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 3 | 3 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 3 | 3 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 3 | 3 |
総合 | 9 | 9 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
イイですね。特に二連目はリズムを受けて言葉が活き活きと動いているのを体で感じることができますし、ウキウキします。体にチョクで伝わってくるのは考えるより先に反応を呼び起こすので好きです。
0お読みいただきありがとうございます。 最近、一行が長くなりがちだったので、二連目は思い切ってみました。「言葉が活き活きと動いている」と仰っていただけて嬉しいです!
1お読みいただきありがとうございます。 また、過分なお言葉をいただき恐縮です。 私は書いてる最中にアレもコレもと色々と詰め込みすぎてしまう傾向があるので、統一感のあるものになっていたら少しは成長出来てるのかなぁと思えます。 とくに初連は最後にいじった箇所でもあるので本当に嬉しいです!
1不思議とスピードを感じさせますね。 二連目のザッピングしたかのような言葉がいいアクセントになっています。 動かない、動けない胸像が見た風や子供たちの瞬く間に過ぎ去っていく様子を捉えているのかも、と感じました。
1お読みいただきありがとうございます! 子供というものは瞬く間に居なくなってしまうものだと、しみじみ思います。
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