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lemon juice lemon eye
切り裂かれた 首の向こうに レモンジュースの泉が 光る 切り裂かれたのは 誰の首だっけか ことり、と落ちたのは 僕の 君の それとも彼らの? 慎ましく 葉脈の血に絡めとられた家々は 午前の白い陽射しを浴びて霞んでいる 僕の眼球の薄青いフィルター 僕の血のレモンジュース 絡み合う血の 桃 葡萄 バナナ オレンジ すいか 檸檬 柔らかな午後だった 僕は葡萄の一粒を口に含んだ 血の味を知らないくせにと君が笑った 植物の流す血は乳白色だろう? 僕は葡萄を口の中で潰しながら言った 汁は咥内を流れ喉の奥へ伝う 僕の暗がりへと 忘れたこと 彼らの来歴 明日の空の色 僕の背中には翼があるから 僕の心臓には過去がないんだ レモンジュースを飲み干して 君はけらけらと笑った 血の色よ その赤よ 絡まれたその鎖よ 魂ってどんな味だろう レモンジュースを飲み干した君の口を 舐めてみた 君は笑っていた その右目は鮮やかなレモン色だった (彼らの来歴を知らない (彼らの血の味と匂いを少し知る (フルーツ (葉脈 (魂 (血 (心 (過去 (嘘 (sex (芒 (食卓 (嘘 切り裂かれた 首の向こうに レモンジュースの泉が 光る 泳ぎに行こうか
lemon juice lemon eye ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 825.2
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-09-16
コメント日時 2017-09-28
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
はじめまして。とても瑞々しく鮮やかな、素敵な詩作品ですね。 恐らく新鮮さの象徴として「レモンジュース」をメインに据えられたのだと思いますが、赤と黄とでは随分と違うので、読みはじめはイメージを付けにくく感じました。 ですが、こうして書いてみると、レモンジュースの黄色で血小板を表現なさっているのですね。なるほどです。 そちらは今、繋がったのですが、それぞれのモチーフが具体性を強く持っているので一つひとつの景色が鮮明に画になり、目の前に広がるように感じながら拝読しました。 16連目になるのでしょうか。 (書きの一連が目にリズムを与え、始めの連で締めることで作品がとてもスタイル良く完成していると思います。最終連の「泳ぎに行こうか」も効いていますね。 作品内容としては、おどろおどろしいのですが、様々な描写により主体が爽やかに引き立てられていると思います。 このように感想を述べるのは全く慣れていないのですが、とても好きで興奮しています。 最初にコメントを出来て、とても嬉しく思います。
0僕の、君の、彼らの・・・という単語に、人、を思いながら・・・すぐ次の行に現れる〈葉脈の血〉そして、フレッシュなフルーツの羅列・・・果物の実りをもぎ取る瞬間の、ある種、ワクワクした感じと、ドキッとする感覚。そんな微妙な感覚を思い出しつつ・・・切り裂かれた/首、そこまでデフォルメして強調しなくてはいけない、内的な切実さが、伝わって来るか、と問われると・・・果物の爽やかさや、たとえば切り裂かれた茎の奥からふつふつと湧きだす樹液のようなイメージとか、そうした「いのち」や「湧き出す」イメージ、みずみずしいイメージの方が先に立つ気がします。なんというか・・・読者にインパクトを与えよう、その意識が先に立ちすぎて、あえて生々しい映像を盛って来たけれど、実際に伝えたかったことは、もう少し違うのではないか。そんな、ずれを感じる作品でした。 読後感の爽やかさは心地よかったです。
0レモンジュースの泉、血のレモンジュース、右目のレモン色、 すごく酸っぱくて瑞々しくて、素敵だなと思いました。 最後の「泳ぎに行こうか」もスッとしていて好きです。 20連目「忘れたこと」から連なる3行が、とても重要な気がして、 もっともっと読み込みたい作品だな、と思いました。
0個人的にはもう職人芸の領域だと思います。 >切り裂かれた >首の向こうに >レモンジュースの泉が >光る 滅茶苦茶物騒じゃないですか、やってることはね。 でもレモンジュースの泉で全部爽やかなものになってる。最初読んだ時は、首をまるでレモンみたいに二つに綺麗に切り裂いた話のように思いましたよ。 植物の果汁から、血につなげていく、そこから更に葡萄の実を食べる >僕は葡萄の一粒を口に含んだ >血の味を知らないくせにと君が笑った で、そこで一回戻すんですね。血から果汁に戻した所で、 >植物の流す血は乳白色だろう? >僕は葡萄を口の中で潰しながら言った 汁は咥内を流れ喉の奥へ伝う > >僕の暗がりへと > >忘れたこと 彼らの来歴 明日の空の色 >僕の背中には翼があるから >僕の心臓には過去がないんだ > >レモンジュースを飲み干して >君はけらけらと笑った > >血の色よ >その赤よ >絡まれたその鎖よ >魂ってどんな味だろう これは凄いなぁ…いちいち解説入れたくないですね。こんな発想よくできるわっていう感じですね。 素晴らしい。植物の血を赤いイメージから一旦切り離して白い血に変えます。そこから喉元を伝って心臓につなげていく。そこから魂の味にダイレクトに繋げていく豪胆さ。えげつないですね。 君と僕との関係については、多分色々深めていけるポイントはあると思うんですが短めの読書だとそこまで上手く掴めなかったので今回はレスしませんが、それからこのラストですよね >切り裂かれた >首の向こうに >レモンジュースの泉が >光る > >泳ぎに行こうか なんで泳ぎに行くんだ! って突っ込みは可能だと思うんです。が、僕は納得しちゃいましたね。果物の盛り合わせ、で僕と君がいたら側に海でも湖でもないといかんよなみたいな所で、ここら辺もいい意味でずるいっすね。泳ぐという行為の爽やかさも相俟って、逆に唐突に出てきた所が締めのシーンとしての説得力を生み出しているというのか、なんとも荒業だとおもうんですけどね、いやー凄いな…
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