わたしたちの刀は形を変える
瞼をしずかに閉じるだけでいい
かなたまで行くことができる
盲人(めしい)になることなど
怖れるな
ただ安心して梨の木の木陰で
土のにおいを嗅ぐだけでいい
意識が燃え梨の花が舞い上がる
やがて樹木のいただきより高見
そのもっと上空
街があれよあれよと小さく見える
眼下に広がるのはアジアの一地帯
悲しみの歴史にも梨の花が舞う
さらに勢いよく燃え大気圏脱出
太陽系の軌道確保
待ってくれ なんども周回する
しかし軌道から外れかけ いたい
林檎のように歪んだ動きに戸惑う
バランスが悪いぞ 太陽に引っ張れ
まずい 迷うなむしろ行け!直進
燃える燃えるなら燃えるとき
燃えるなら私は太陽になる
太陽
太陽になったというのに
梨の匂いがしている
みるきいうえい
星々は あまい流れの中にある
ひとつひとつの星が燃えている
しずかだ
乳の河をまあるい顔をした
おっぱいプリンが流れている
ミルクの匂いを吸い取りながら
うっくんうっくん 流れていく
もえろみえろ いのちよ もえろ
うっくん うっくん 流れていく
**************
本作品は、吉増剛造の【燃える】という詩編を手本とさせていただいて書いております。また、吉増剛造の【燃える】を共に勉強させていただいていた皆様 この場をお借りしお礼を申し上げます。ありがとうございます。
作品データ
コメント数 : 5
P V 数 : 1631.2
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 5
作成日時 2021-03-16
コメント日時 2021-04-01
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 1 | 1 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 5 | 5 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0.5 | 0.5 |
エンタメ | 0.5 | 0.5 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0.5 | 0.5 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 2.5 | 2.5 |
閲覧指数:1631.2
2024/11/21 20時48分26秒現在
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「いのちよもえろ」という詩の部分でこの詩の真髄を見た気がしました。「わたし」は行き着くところまで行って太陽になりましたが私も見習い成り上がりたいです。
1声に出して読むべき作品だなという感覚がわきました。 吉増作品を手本にしたからでしょうか? >> 太陽 >> 太陽になったというのに あたりは声が響いてくるようです。また5連〜7連あたりまでのテンポがすごくいい。 朗読として成立する作品に必要なものはなんなのだろうか?なんてことを思いました。
1感想ありがとうございます。成り上がるのも 楽しいかもしれません。 詩を書いてだいぶ時間がたった 今の私は、いのちって がんばらなくとも 自然に もえるものなのかもしれない。と、すこし冷静になっているところです。いや、いけません。燃えましょう! 自分でもえましょう。自分以外の他のなにかに燃やされないように、できるかぎり自家発電で いっちゃいのしょう。チェストお!をお!
0テンポに着目していただき嬉しいです。 正直にいうなら、一連~四連までは リズムを かなり意識していました。 各連の二行目と三行目が後韻にしたりしてます。でも、五連目で 私ね。壊れたんです。 にもかかわらず「7連あたりまでのテンポがすごくいい。」と言っていただくと、私の中で喝采が沸き起こりました。パチパチと燃える音を聴く気分です。ほんとうに嬉しい評がいただけました。ありがとうございます。
0【萌】という字は、眺めているだけで 美しい文字ですね。 草冠に明るいですもの。まるで、太陽の反照を草の中に蓄えていることを表現しているかのような文字ではないですか?そんなことを、コメントを拝読して想いました。 季節は、この詩を書いたころより季節も暖かいほうに ずいぶん 進んでいます。おかげで、太陽は地球上の生命を育む光源という文字列が 本作品を書いた時期よりも 高い位置から光の矢となって降りてきてくれています。 しみじみしてしまいます。生かされているのですね。嬉しいです。ありがとうございます。
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