掘り続ける手が 絶え間なく
土の輪郭を 更新する
幾匹の呑気な奴らがしつらえた
けもの道を
いやらしく 崩すように
握り拳の血脈は どろどろ火照っている
こびりついた汚れに伝わる 寒気よ
そのままで
きみが掘った 砂場の穴は
斜めっていて 深かったな
腕を差し入れ
ぼくが しかと触れたのは
熱っぽい きみの 持続性
垂直だとすぐ土が崩れるんだよね って きみ
ぼくは おかまいなしに
ごつごつと 腕を 土の側面にぶっつけて
輪郭を 崩してしまった
土床に眠る 鉱石のようなものを
しかと触れた
そいつは 燃えあがる車輪のように
火の粉を散らしながら
機械的に 穴から跳んだんだ
ぼくの歩は もたつきつつ
斜め五十度の閃光を 辿る
葵色に染まりゆく 木々の重なりに
沈みゆくなか 浮きあがる
太陽じみた浮遊 と 追手のぼく
作品データ
コメント数 : 6
P V 数 : 1339.2
お気に入り数: 2
投票数 : 1
ポイント数 : 6
作成日時 2021-01-24
コメント日時 2021-01-29
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/12/04現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 3 | 3 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合ポイント | 6 | 6 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1.5 | 1.5 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0.5 | 0.5 |
総合 | 3 | 3 |
閲覧指数:1339.2
2024/12/04 02時02分32秒現在
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オーソドックスなリズムだから読みやすく、また >握り拳の血脈は どろどろ火照っている >熱っぽい きみの 持続性 >太陽じみた浮遊 と 追手のぼく といった詩中の表現もイメージを想起させてくれる ただ、詩の内容自体は何かが展開されるわけでもなく、詩中主体が土を掘って何かにまで辿り着くだけのごくシンプルなものだから、読後の満足感は少ない。 悪くはないが味気ない、ってのが正直なところ。内容に依らず行ごとの表現のみで魅せていくならばもっと魅力的であってほしい。抽象的なところと具体的なところのメリハリをもっとつけるといいかも。
23連目までは問題ない、ただのいい詩だー。と思って読んでいると、4連目、 >沈みゆくなか 浮きあがる あからさまに逆説法。でもどういう意味だろう? たとえば、掘ることは地球の北半球からすれば沈むことだが一方で南半球からは浮かぶことだ? 掘りつづけることは物理的には下降だが、魂は上昇するのだとか?この場合魂は木に似てその上昇は垂直でしかも土は崩れない。 ここで第1連をあおぐと >そのままで という詠嘆。全然問題ありだ!と、ボクはかなり練られてる詩のように思いました。
1コメントありがとうございます。 僕自身、なんだか言葉の密度が薄いものを書いてしまったなーという気概がしていました。やはり読後感が薄いと改めて確信できました。観念的なフレーズと、情景描写のテンポのいい構成をもっと意識すれば、言葉を濃く押し出すことができたかもしれない。コメントを読んでいて思いました。
0コメントありがとうございます。 僕の詩そのものより、鳴海さんの読み方のほうが面白くて興奮してしまいました、、、笑。僕はただ単に、暗くなりつつある山に浮かびあがる火の粉をイメージして書いていました。たしかに、沈みながら浮かんでくる、掘り降りながら突き上げようとしている、そういう両義的な行為への連想は興味をそそられます。問題ありな詩、と言ってもらえて大変嬉しいです。
1この登場人物はなにかに挑んでいるそうおもいました掘り続けるというのは何かの作業をしているのでしょうか?」
0読んでいて何をしているかはっきり分かりました まだ僕は詩をあまり知らないけど読んでいて 完璧に分かったといえば嘘だけど 心に残る詩でした そんなにこの作品のここがどうとかは言えないけど 自分にとって良い作品と感じました なんか具体的じゃなくてすいません
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