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春
ジャングルジムの中に絡み取られていると フェンスの向こうを歩く人がやけに目についた 人間の条件を少しずつ失うような心地だった 昼下がり あるとき すべての踊り場から あたたかい知性が伸びて いつのまにか背中にさずかる 春は波のようにやってくるのですか? こういうときはどこへ行こうか 海へ行きましょう 間違っていませんように、と差し出した手を 洗うために海へ行くのですよ 取り壊されるアパートの郵便受けから やってきて、いつかこう言った 身近に迫ってくるものを よく見なさい 恐れることはない じっと見ていなさい そう分からされた 日のことも この中にいるとなくなってしまったのです 迫りくるものを いつもの癖で溶かしてしまっていた 三月の空に それでも 吸い込んで取り戻すために 海へ行くのです あつめたもので回ることは かんたんである だから吸い込まれていく人々を この日はひんぱんに目にするのだろう
春 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1786.5
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 5
作成日時 2021-01-01
コメント日時 2021-01-28
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 2 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 2 | 2 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合ポイント | 5 | 4 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0.5 | 0.5 |
総合 | 2.5 | 2.5 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
最終連で納得させられました。
0お読みくださりありがとうございます。
0鈴木歯車さん 春の日の、何となく不安定な心理状態、どこか歯車がうまく噛み合わないような感覚を思い出しました。
0春は大体不安定なもんです
0平仮名にしている部分に意図をきちんと感じられます。海に行けない側として読むと、更に染みてくる詩です。
0一行目がいい。この語り手、きっと海には行かないんだろうな。海で手を洗えば間違いが水に流されてしまう事も信じきれないし、絡め取られたままよくみているのだろう。何か衝動が、張りが足りない気がする。
1この詩をよんで思ったたことはあれこの詩なにを伝えたいんだろう郵便受けのきもちですか?迫りくるものってなんだろう?未熟ですいません
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