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蛆
僕の身体を知覚したソファーへ 身を委ねたい欲求の中に 抵抗しがいのある要素は 微塵もないのだ ゆくゆくは 窪みに落ちこみ そこから繁る 暖かな眠気が (義務を負った) 心臓に 寝汗をこびりつかせる 肥大していく 僕の拳が 巨大な実在感を 握り始める 地球と密着した コブができてしまったこと (それは裂けていて、各々動くひだひだで) とんでもなくスキャンダラスな事態に 混乱する世界を 宇宙大に広がった 己の拳の脇に感じて 心臓は 粗雑な新陳代謝を 繰り返している 今 ソファーに 身を委ねる者たち 寝転がった僕の周りで 連なる 無数の 準備不足なトラベラーたち! 課せられた 憂鬱な枠組みの中で 出入り口を まさぐったって パチンコ台を 奔走する せわしない 銀色の玉にすぎないのだ 実在の枠を 蹴破り 陰った 薄い膜を 引き裂こう 目を瞑って うずくまる みんな 宇宙に放り飛ばされて 夜空に浮かんでいた 互いに触れもしないのに つつきあい 戯れる 夢見る僕らは 高架線下の線路に 着陸した そよぐすすき 黄色く染まった 草の丘 転がりこむ 昼間の日照りと共に 足をついて (僕は、あさぎ色に満ちた暗がりで 目を開いた。 流れ、流れる意識の血流が 日に照らされて 仄見えるようなんだ。)
蛆 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1263.6
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 16
作成日時 2020-12-21
コメント日時 2021-01-28
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 7 | 7 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 2 | 2 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 2 | 2 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 5 | 5 |
総合ポイント | 16 | 16 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 7 | 7 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 2 | 2 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 2 | 2 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 5 | 5 |
総合 | 16 | 16 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
最近買ったビーズクッションでうたた寝している自分のことを言われているのかと思って少し驚きました。第三連のこの部分がとても好きです。 >出入り口を まさぐったって >パチンコ台を 奔走する >せわしない 銀色の玉にすぎないのだ 第四連の >互いに触れもしないのに >つつきあい 戯れる この部分ともつながっているようで面白いです。 パチンコ玉の動きってそういえばあまり触れあわないなって。改めて気づきました 5,6連の美しい情景への流れ、主人公の想いがよく伝わってきました
コメントありがとうございます。返信が大変遅くなって申し訳ありません。 パチンコ玉って、ひたすら台の中を駆けながら、順々に運動していて玉同士が触れ合うことのないものだと考えながらこの詩を書きました。僕は、孤独でありながらずっと社会の一員として駆けていく他ない現代人を連想してしまいます。 詩の流れも褒めていただき、大変嬉しいです。
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