別枠表示
実験01
君の眼の中を青空が涼やかに流れて 丘の上に迷い込んだ銃声を 柔らかな木の幹が受け入れていく 瑞々しい水滴たちが発散する 指の花に縛りつけられた蝶々が言う 鬱は鉛のように重い砂の皿 ノイズに塗れた街燈の その暖かな音楽が蛾を焼き尽くす 知らない横顔が鏡に映り込んで 壊れるほどに力んでいる瞳の鼓動 飲んだ蜂蜜は明らかに口内を潤しながら 生臭い魂の胃袋をねぶっている 28階のベランダから飛び降りた陽射しを 眩しい風が笑いながらその部屋へ連れ戻す 「逃げられないよ」と笑いながら 血が分裂し夢と現実が錯綜するから 不満のその余韻で失速した人生を塗り潰していくから 後悔の涙に溶けた犬を 面白いと思う悪魔の奥には冷凍されたモラルがある 歯軋りするつぶらかな倦怠の寝言は恫喝じみている 夕日の叫びは夜を震わせる円形の喉 記憶に残らなかった人々と巡り逢う 初めまして 下水道で独り言のように手を洗う 空々しくも素晴らしい拍手 優しそうな理解者たち 澄み切った声の写真を並べ替えて 遊び呆けているリアリスト 炭の太陽は苦しみながら ルビーよりも濃い真昼の悩みを聴く
実験01 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1281.2
お気に入り数: 1
投票数 : 2
ポイント数 : 19
作成日時 2020-12-05
コメント日時 2020-12-13
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 6 | 6 |
前衛性 | 2 | 2 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 6 | 6 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 5 | 5 |
総合ポイント | 19 | 19 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 6 | 6 |
前衛性 | 2 | 2 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 6 | 6 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 5 | 5 |
総合 | 19 | 19 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
なぜ実験なのか読み取れなかった!
0未さん、コメントありがとうございます。 実験は、ある程度の方程式を自分に課しながら一発描きでどこまで書けるかという意味での実験です。無題のようなものです。
0とても好きな詩でした。 美しくも残酷な表現が一層興味をひきました >指の花に縛りつけられた蝶々 指の花なんて思いつかないので感銘を受けました >飲んだ蜂蜜は明らかに口内を潤しながら >生臭い魂の胃袋をねぶっている 蜂蜜の潤いと生臭い魂の胃袋この対比が好きです。 >28階のベランダから飛び降りた陽射し この比喩がとてもいいと思いました >炭の太陽は苦しみながら >ルビーよりも濃い真昼の悩みを聴く 太陽と真昼が本当に話をしているような リアルさを感じました。北風と太陽のような。 とても素敵でした。ありがとうございました。
つつみさん、コメントありがとうございます。 過分なお言葉、嬉しく読みました。こちらこそありがとうございます。
0