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シアン
海の色が捨てられていく シアン その色は透き通った深い海の色 下水へと流れ去る シアン 牛乳の色 病気になった乳牛を 治すための薬の色 白い牛乳な中に 混ざり浮き上がる色 シアン 苦々しい人々の目線が刺さる 人の飲めない色 乳房に入れられた軟膏の色 沢山搾られ 捨てられ 消えていく色 牛飼いの涙の色 そんな牛乳貯めたバケツ覗くと 純白の上にシアンが渦巻いている 乳房炎の乳から出てきた鮮やかな青 何を伝えたいのか わかりもせず 純白とシアンを 暗い下水へと流していく 牛乳は生粋の純白になれ 下水の果てに いつの日かシアンの海の色となれ
シアン ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1645.7
お気に入り数: 0
投票数 : 2
ポイント数 : 1
作成日時 2020-11-03
コメント日時 2020-12-11
項目 | 全期間(2024/12/22現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 1 | 0 |
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可読性 | 0 | 0 |
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技巧 | 0 | 0 |
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叙情性 | 1 | 1 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
シアン - 好きな系統の色で、 はじめて画像をデジタル処理した際にもよくカラーパレットに入っていた事を思い出します? マゼンタとイエローを均等に混色すれば、作中の文章とは真逆の黒に。 (..たしか...) 作中の薬品や痛み、海のイメージ.. 牛飼いの涙の色 というフレーズが印象的でした。 それなのに白... ライトレスですみません。
0「シアン」という色から、一つの流れを見る。シアンってどんな色だろう。覚えていないが、この詩に描かれた色の記憶が教えてくれる気がする。悲しくて、美しい色だと思う。私たちは、海から生まれてきたはずなのに、どうして薬物を通してシアンを口にしているのだろう。そんな矛盾が心に残る。
0ライトレスも歓迎ですよ。 酪農において大変厄介な問題が乳房炎という病気です。人の場合だと乳腺炎となるのでしょうか。 牛乳を作る乳房の中に雑菌やカビ、藻類などが入り基準を超えてしまい出荷できなくなってしまいます。 よくある雑菌が原因の乳房炎の場合、乳頭から入れる薬の色がこのシアンの色で、出荷できないのを知らせる意味があります。 ちなみにこの薬は抗生物質なので、万が一出荷したら全ての牛乳が廃棄となります。 鮮やかな青なのに、そのような扱いなのを思い出しこの作品を書きました。 白い牛乳の上に、このシアンが浮いていたりします。 それも印象に残ったのも書くきっかけになりました。
3薬を通してシアンを口にしていないのは、元牧場従業員として明言します。 抗生物質なので、出荷する牛乳に混ざらないよう、現場とメーカーが注視しています。 実際きれいな色です。 食品添加物で着色された薬の色ではあるんですが。食欲を無くすためにこの色にされているのはあるでしょうし。 海から生まれたのに、この色を拒否するのも、不思議ですね。
2そうなのですね。確かな経験に基づいてこの色を選ばれたのですね。 シアンを選ばれた意味を含めて、読み直してみたいと思います。
0乳房炎やシアンの色をした薬の混じる乳といったことを初めて知りました。シアンの乳と海と。最後の一文にはどんな感情がこめられたものなのか、牛と人との関係や世界など、命令を発するように投げかけられているのが印象に残りました。
0牛乳の色について、酪農関係者だと早く薬の影響がなくなって、出荷できる状態になって欲しいと願って仕方ないので。 実感がこもったかもしれません。 最終連ですが、海の色を連想させる嫌悪されるシアンが下水を経てせめて海に行けと思いまして。 まあ、希釈され処理場で浄化され、たどり着けないでしょうけど。
0元牧場従業員なので、その体験からきています。 細かい事はいいから、牛の健康と経営が良くなってくれと思うようになっていました。 (細かくしないとよくならないのでしょうけど) それが命令のように投げかける文章になったかと。 嫌悪されるシアンはせめてその色を呈する海に行けと思いまして、最後の一文になりました。
1そう言われ、思い返してみると、確かに人工的で色が薄くなって牛乳と混ざると、なんか切ない感じかもしれません。 >何を伝えたいのかわかりもせず 改めて読むと、悲しい表現ですね。伝えたいことがわかってくれないのは。
0全く考えてなかったんですが、そういや掛かっている!
0>人の飲めない色 >乳房に入れられた軟膏の色 >沢山搾られ 捨てられ >消えていく色 >牛飼いの涙の色 シアンの青色が悲しみと結び付けられているところが羽田さんの視線を通して正確に、また美しく描写されているなと感じました。 捨てられ流れていく牛乳の白と相まって、シアンの色と混ざる様が頭の中に強く残りました。
0どうにも実感がこもってしまう箇所のようです。 綺麗だけど見たくないものですし。 そういう矛盾が詩情になったかもしれません。
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