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手を振る
生まれた町 小さな町 西には山 南には川 おぼえてない母 が言うには赤 い旗の外には鬼 がいるからと禁忌 右足首の痣 には鬼がつけた手形 止まった血 そこだけ壊死 左手首の傷 いつからの寂寞 生きている事実 噛みしめる普遍 逃げた犬 飼えなかった猫 捨てた金魚 殺した羽蟲 命 無責任な家族 彼らは今頃赤 い旗の向こうで生活 でもしているのか愚問 母は無効 赤い旗 の向こう
手を振る ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 804.3
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-08-22
コメント日時 2017-08-28
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
はじめての投稿です。sonetira(ソネ・イラ)です。みなさんの詩を読みながら、批評を勉強したいと思います。よろしくお願いします。
0装飾を付けずに言葉を置く。とても新鮮に感じた。一読目には気付かなかったのだけれども、その効果というか、統一感を持たせる為か、改行を工夫されている。そのような工夫・効果が集約され、主役となるフレーズに思えたのは、「噛みしめる普遍」。この言葉に魅かれた。装飾無く置かれた言葉を読むリズムは、まさに「噛みしめる普遍」な行為だった。ただ、音読してみての感想としては、読みずらい。テキスト作品なのだから問題ではないのだけれども。可読性の有無を問えば、今作は微妙なライン上ではなかろうか。可読性の有無も問題ではないけれども、可読性がある作品を好みとする私としては、微妙。参考までに私が言う可読性とは、読者である私が一読して想い描く情景を、他人へ即、解説・説明することが可能か否か。極私的な内なるルールであり、一般的なことと少し違うかもしれない。 雑なコメントになっている感を与えてしまっていたら申し訳ない。今後とも宜しくお願いします。
0三浦果実さん コメントありがとうございます。読むことが苦手なので、自分で書くときも短いものになってしまいがちです。 自身でも音読したときに気持ち悪く感じたのですが、気持ちいいよりは気持ち悪くていいのかなと思いこのまま公開しました。 三浦さんが考える可読性、面白いです。三浦さんが書いている詩も読みながらじっくり考えてみます。 これからもよろしくお願いします。
0おはようございます。 「赤い旗」とは、共産圏を連想しました。そして、「右足首の痣 には鬼がつけた手形」とは、政治的思想による制圧による傷だと思いました。 レスに どなたも書いておられないので 書かせていただきました。 そのことについてのわたしの感想は うまくまとまりません。 母は無効 赤い旗 の向こう 「むこう」という音が音叉のように響きあい余韻を感じます。
0クヮン・アイ・ユウさん 最近、誰かと離れてもうまく「バイバイ」と言えていない気がします。手を振ることの行為や、わたしがいまいる位置を読んでくださり、ありがとうございます。 詩とは何かわかりませんが、やはりラストにはいつでも希望を添えたいものです。それが芸術にできる少しの安らぎとか救いなんだと思っています。 ですから、外に出ることができたことと愛のようなものを感じていただけたことは大変嬉しいです。
0るるりらさん 確かに赤い旗は共産圏をさしますね。 危険な雰囲気を表す赤を選んだのですが、そのような捉え方も面白いと思います。 数日前にある共産主義国のドキュメンタリーを見ていたので、少なからず政治的なものは影響しています。 読んでいただきありがとうございます。
0こんにちは。 拝読させて頂きました。 とても衝撃的な作品だと感じました。要らない言葉を削ぎ落としていながら、伝えたいことが、ストレートに飛び込んでくる、そんな気がしました。怖いようなぞくぞくするような。 一見長閑な、自然に囲まれた故郷は、世界から孤立しており、目に見えぬ赤い旗で囲われている。 そしてそこには強い拘束があって(故郷はもしかしたら家庭にも置き換えられるのかもしれない)、巣立って行こうとするものを許さない。私も鬼は母親なのかと思ってしまいました。出ていこうとする私の足首を、引き留めようと掴んだ母親の手の跡が痣なのかと。 犬も逃げ、猫も飼えないことでこの家からある意味自由であり得た。 そして私は左手首に傷を残しながらもそこからの脱出(自立)を果たした。 そんな風に読みました。勝手な解釈ですが。 この詩のキーを、私はタイトルの「手を振る」に感じました。 一切の繋がりを断った、という合図に振る、と捉えることも出来るし、残してきた家族、故郷に哀惜を込めて振る、ということもあり得る。そして私はここにいるからね、と伝える愛惜と捉えることも出来る。 このタイトルが、この鋭い詩を、和らげている、そんな感じを受けました。 最後になりましたが、私はこの詩、好きです。 拙い講評で失礼しました。 また、次回作も楽しみにしています。
0ユーカラさん 批評ありがとうございます。ビーレビューは観てるばかりでしたが、ユーカラさんの詩はなかでも光るものが多かったです。ですので、ユーカラさんから好きだと言ってもらえる詩を公開できてよかったです。もちろん、誰かのために書こうだなんて思っていませんが。 いらないものを極力なくす、ということは、どんなときであっても気をつけています。 ビーレビューをみていると、長い詩がかなり多いですが、一文一文の意義を感じさせないものは多い。それをどうにかしたくて、今回はじめて投稿しました。 お察しのとおり、詩の内容はかなりわかりやすいので、批評をする場には合わない詩だったかもしれませんね。 今後もよろしくお願いいたします。わたしもユーカラさんの詩をいつも楽しみにしています。
0初めまして。 リズム、言葉選び、とても好きだと感じました。
0言葉をできるだけ削っていく姿勢、とても好きです。また「赤い旗」を「〜赤い/旗」と改行することで生まれる独特のリズム感・独特の突き放すような感覚に対して、最後ではそこを改行せずに「赤い旗」と書くことによって生まれる対比・最後の連での風景の広がりにハッとさせられました。 それから「彼らは今頃赤/い旗の向こうで生活/でもしているのか愚問」のフレーズがかなり好きです。
0印象的な作品ですね。言葉を削る、というのか・・・抑制することによって立ち上がって来る緊張感。 私は虐待を受けた人の気持になって(寄り添って)故郷からの旅立ち(自己解放)を歌った作品のように感じました。 赤、という色・・・赤で区切られた結界、禁忌。卑俗なイメージで、よく赤い腰巻などが出てきますが・・・寺山修司の描く赤、とか・・・旗、と書くことによって生まれる共産圏のイメージと、歪んだ共産主義の抑圧のイメージも、確かに重なってきます。 survof さんも上げている、言葉の区切り方、改行の仕方が生み出す呼吸のようなものが、躊躇いや、言葉を発する時にかかる圧力を暗示していて、余白で語る力を持った作品になり得ていると思いました。
0たぶん、作為的にやられていると思うのですが、詩行の終わりにすべて名詞を持ってきています。その狙い・意図はわかりませんが、読み手に与える効果としては、一行一行がひとつひとつの物質の表れに通じるということで、物質がぽんぽんと読者が描く作中世界に並べられていくかのような印象を受けます。 それはさておき、舞台は、まるでドローンで撮影されたかのように、遠景から始まり、次に母(の言葉)、右足首・左手首と焦点がフォーカスされていきます。鬼は「赤い旗の外」にいるという。 そして、痣や傷というのは、何かの跡であって、語り手は、母の語るエピソードによって、その跡から過去に起きたであろうことを想像するしかないのです。ここで、冒頭に戻るのですが、「生まれた町 小さな町」に生まれたのは、語り手であると同時にその母でもあって、それは同じ町でありながらも時間の経過があり、場所としては同じでありながらも、語り手/語り手の母にとっては違って見えるはずです。その違いが痣や傷に対する見方・想いでもあるのではないでしょうか。 そして、おそらく語り手はこの町を出て、生活をしているのでしょう。 二連目の状況 語り手と母 → 赤い旗 → 外:鬼 「赤い旗の外には鬼がいる」 五連目の状況 無責任な家族・彼ら ← 赤い旗 ← 語り手 「彼らは今頃赤い旗の向こうで生活でもしているのか愚問」 愚問ということは、聞かずもがな、答えがわかっていることであり、赤い旗の向こうでいまだ生活し続けているのでしょう。 何か理由があって、生まれた町を出た語り手にとって、生まれた町に住み続ける母・家族は無責任なものであるという価値付けがされており、町を出たからには不要となった母の存在が、今となっては無効であるということが最後に示されているのではないでしょうか。それがまた、タイトルの「手を振る」=別れ・決別を示す行為として示されているのではないでしょうか。
0繰る井 莎鬼 さん 整いすぎた詩が苦手で、そうしないように意識していました。好きだと言っていただけてうれしいです。 すみません、残りの方、のちほどお返事します。
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