とかした たましいのしずく
一つ分けて もらったら
たくさんの クラップがついてくる
クラップたちの主たちは 僕を鬼だと云う
ひとつの魂から わかれて 鬼になったから
ひとつの魂に もどそうとして たましいたちが僕を呼ぶそうな
めかくし鬼さんの僕は だれのことも見えない
でも みんないるんだね もともとは 僕と おなじ
オニさんこちら 手のなるほうへ
オニさんこちら 手のなるほうへ
オニさんこちら 手のなるほうへ
オニさんこちら 手のなるほうへ
わたしたちが いなくなると さみしいでしょ
たかしくんだった手拍子しながら云っている
おばあちゃんだった手拍子が 云っている
わたしたちが いなくなると さみしいでしょ
六条御息所のような怨霊も 云っている
ほら わたしの手のなるほうへ おいでなさいよ
ぼくは鬼だあ 魂が云うのだから まちがえない
オニさんこちら 手のなるほうへ
オニさんこちら 手のなるほうへ
オニさんこちら 手のなるほうへ
オニさんこちら 手のなるほうへ
約一分ごとだろうか
クラップたちが縦横無尽に居場所を変える
約一分ごとだろうか
さまざまな過去の人々の群れが入れ替わる
たくさんの声の中から
たったひとつを つかまえると
ぼくには、すべてが あわさり
あたらしい魂に なった
************
本作品は、stereotype2085さんの「手の鳴る亡霊 」から着想いたしました。
詩作のきっかけをいただき ありがとうございます。
https://www.breview.org/keijiban/?id=6112
作品データ
コメント数 : 4
P V 数 : 1647.3
お気に入り数: 0
投票数 : 2
ポイント数 : 5
作成日時 2020-10-07
コメント日時 2020-10-27
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 2 | 2 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合ポイント | 5 | 5 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 2 | 2 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合 | 5 | 5 |
閲覧指数:1647.3
2024/11/21 20時42分30秒現在
※ポイントを入れるにはログインが必要です
※自作品にはポイントを入れられません。
クラップが何を意味するかと思ったら、手を叩くことのようですね。 あと鬼には、魂の意味もあるとか。 とすると >オニさんこちら 手のなるほうへ に独特の光景が目に浮かびます。 しかも怨霊も静かに亡くなった人も一緒に魂が乱舞する光景。 >さまざまな過去の人々の群れが入れ替わる ということをしながら。 >ぼくには、すべてが あわさり >あたらしい魂に なった こうなるために。 なかなかない作品です。
1手を打つ身体が消えて、手を打つ動作と音だけが残ってるような感じがして、面白いなあと思いました。 体が消えて、動作と音が残るような 残響は、こわいですよね。 レスを読んで 能かなにか そのようなものを 見直したくなりました。ありがとうございます。
0クラップが何を意味するかと思ったら、手を叩くことです。 実は、うろおぼえでした。こども向け英語番組で オトマトペみたいに感じられたのだけをおぼえてして、ほかの人が カタカナでどう表記しているか検索して、「クラップ」としました。 鬼には、魂の意味もあるらしいですね。だから、鬼ということばを スゴイという意味の形容詞的に使うこともあるのは、間違えではないという話を聞いたことがあります。そもそも 魂という漢字の中にも 「鬼」が居ますし♪ この詩のようなモノのことを「なかなかない作品です。」といっていただけて、驚きました。stereotypeさんと サトウハチローさんの「ちいさい秋みつけた」などの要素が混じってます。 ほんとうは、stereotypeさんの詩を 手遊び唄のようにしたくて思考錯誤したのですが、独自な世界が描かれたと言っていただけたので、嬉しいです。ありがとうございます。
0凄くよく出来ています。僕の作品から着想を得ているのにしっかりと違うアプローチで違う着地点を見い出している。返詩で終わらない着眼、特に鬼とひとつの魂から分かれた「みんな」が一緒になって元通りの完成された?魂になるという着想、混沌の中の調和、根底においては全てが調和している、していくという発想は僕の「手の鳴る亡霊」にはなかったので素敵でした。特に「わたしたちが いなくなると さみしいでしょ」から始まる連は離れ離れになった友だちや親族または家族を彷彿とさせて物寂しい、心の欠けてしまった鬼(話者)の心証を表す面白い伏線でした。また鬼を呼び寄せる「他の魂」がクラップで表現されているのも独創です。とにかくも僕の作品から着想を得た詩を一作品として投稿していただきといても嬉しいです。ありがとうございました。
1