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イリデッセンス (三篇)
1 雨傘 西に遠雷 光りだす地平線に 雨の匂いを連れて 今夜こそ 会いたいね 今度こそ 会いたいよ 揺さぶられる 傘の下の僅かな隙間を 雨が濡らしていく もう何も聞こえない もう何も聞こえなくていい *** 2 化石 海の生物が 長い時を経て 石になるという 思いがけず 虹色を見せて 宝石と呼ばれる 見かけより やわらかくて 脆いものが残る 何て不思議 地上にある色 すべてを吸って いまここにある *** 3 標本 箱の中にずらりと 閉じ込めた夏の記憶に きみは悲鳴を上げた 鱗粉の上に広がる 空の欠片の美しさ 綿毛を沢山集めて 瞬きしていたのに 短い命を留めたくて ぼくはガラス越しに 白いきみを眺める https://video.twimg.com/ext_tw_video/1283695769652846593/pu/vid/320x342/1SPH3mlGharYvfkN.mp4 【朗読:黒崎水華さん (Twitter ID:@appleatea ) 】
イリデッセンス (三篇) ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 2100.6
お気に入り数: 1
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2020-07-27
コメント日時 2020-08-17
項目 | 全期間(2024/12/22現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
とても美しい詩だと思いました。 イリデッセンスという言葉の意味が最初、分からず、画像検索で調べてみました。 時間が経ってしまうと最初の印象が薄らいでしまいそうなので、今 書きます。 文章を読んで、最初に浮かんだ言葉は 対比 でした。 言葉と言葉の。 その後、ホログラフィーのようだ、と思いました。 虹のように浮かびあがる像があり、手で触れると突き抜けて透過してしまう さわれないのに。確かに見える 三篇それぞれのタイトル、雨傘、化石、標本、というのも素敵だと思いましたが、 ラストの白い君を眺めるというところで、 白ってイリデッセンスっぽくないって、ふと 思ったのですが、その前の行の ぼくはガラス越しに という段落に遡ってなんだか、少し繋がりました。 僕の言葉では(なにかが)言語化できないのですが、 言葉で表現されたものを、うまく拾えない、そんな感覚は好きです
2お読みくださりありがとうございます。 「化石」の中で出てくるアンモライトを初めて画像で見た時、その鮮やかな色にとても驚いてこの詩を書きました。 「標本」に書いた蝶の鱗粉、「雨傘」の雨粒もやはり光の乱反射で虹色に光ります。そうしたイメージからイリデッセンス(遊色効果)というタイトルをつけました。 ryinxさんのコメントにホログラフィーとありましたが、こちらも虹色ですね。とても的確な表現だと思いました。 白い、秘密はオパールです。 乳白色の石の中にも虹色が見られるのです。
1会いに行きたいと思いました。
1お読みくださりありがとうございます。 そのように感じて頂けたのですね。。。もしよろしければ詳しくお聞きしたいです。
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