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夏雨の匂い (三篇)
1 嵐の夜に 生ぬるい荒れ風のなかで 葉擦れの音を聴いている 目の前で飛ばされた小鳥は 悲しげな声で微かに鳴いた もうすぐ雨が降りだして そうして誰もいなくなる 雨が窓ガラスを叩く音で 二人の秘め事がはじまる とどまることを知らずに 唇で探りあい揺らぐ部屋 *** 2 形見 朝方の驟雨 為すすべもなく 逝った人に むせるような 百合の匂いが いつまでも 離れない 枯れた涙は 愛が無いのだと 迷信のように 責める人々の声 手元に残った 腕時計の針は 沈黙を守る 今日も *** 3 大地 夏草が刈られた 何の予告もなく 容赦など欠片もなく 昨日まで生に満ち 風に大きく揺らいで 波打っていたのに 鮮烈な香りだけが 残され漂っている 雲雀たちの声は失せた 足早に近づく夏の気配 眩しすぎる光の中で 祭りを待ちわびた人々は 束の間の狂宴を楽しむ https://twitter.com/user/status/1283695759381037056 https://video.twimg.com/ext_tw_video/1283695088871239681/pu/vid/296x270/ldEMPV9YR3YSFjcg.mp4 【朗読:黒崎水華さん(Twitter ID:@appleatea )】
夏雨の匂い (三篇) ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1072.8
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2020-07-23
コメント日時 2020-07-24
項目 | 全期間(2024/12/22現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
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