雨を詠みまた雨を詠み雨になる梅雨という名のカフカの変身
椅子すらも見当たらぬぼくらわたしたち寂しき詩で編むノアの方舟
忘れたよ時の洗礼を引き受けたきみの祈りときれいな廃墟
うみのない夜風のまちの人々のうつつは水平線のないうみ
とうめいになっても別にいいんだよ血の通わない君が言うなら
祈り終えさよならをした雨粒のあなたのために歌うよ るらら
言葉には果てがあるのが寂しくてぼくは小鳥が咥えしハモニカ
ひかり浴び色褪せてまた色褪せてもう触れられないとうめいな海
雨乞いを拒みし人への純真な啓示としての梅雨のまにまに
朽ち果てた路傍に佇む傘たちのためにわたしは雨を詠むから
洗われた白いシャツの胸ポケットの底に潜みしまっくろくろすけ
一粒の波紋が丸くて透明でわたしは生きてていいのかな 夏
作品データ
コメント数 : 1
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ポイント数 : 6
作成日時 2020-07-12
コメント日時 2020-07-13
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/12/31現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 3 | 3 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合ポイント | 6 | 6 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 3 | 3 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合 | 6 | 6 |
閲覧指数:1327.1
2024/12/31 03時06分38秒現在
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沙一さん。お読みいただいてありがとうございます。 すごくすごく嬉しい感想です。わたしも、その一首が特に気に入っていました。 おっしゃる通り、言葉を尽くしても…ということや、あるいは尽くす機会すらないことは日常にたくさんあります。 でも、それでも、あるいは、という一首なのだと思います。 改めて、お褒めのコメントをありがとうございました。
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