傘の帯のボタンをさ
ひたすら指先で撫でてたよ
怖いから私は分かりたくない
私は何も分かりたくない
五月雨を辞書で引いて待つ
意図せず言葉は足下に滲みた
トラックが掠めて風に殴られるときの
泥水の温度は温くても
踏んでしまった水溜まりはどこか痛い
いつの間にか止んでいたんだよ
傘の帯はすぐに乾いていたよ
自分で気付くしかなかったんだ
これは五月雨じゃないと言い聞かして
分からない方が楽だと知っている
私がただただ可哀想になれるから
雨音が遠のいて忘れていけば
自ずと思い知るというのに気を逸らし
滲みた足裏だけが私に残る
ボタンの模様を見たくなかったよ
ひたすら撫でて感触だけを知ろうとしたよ
理由なんて分からないままで幸せなのに
これは五月雨じゃないと言い聞かしている
作品データ
コメント数 : 4
P V 数 : 1601.1
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 3
作成日時 2020-05-20
コメント日時 2020-05-22
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合ポイント | 3 | 3 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合 | 3 | 3 |
閲覧指数:1601.1
2024/11/21 20時49分27秒現在
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全体的に賞賛です。まず言葉のチョイスがすごい。五月雨という言葉を上手く使っているのが印象に残ります。辞書と言われて分かった鈍麻なので、ヒントはありがたいです(^^;) 足下に滲みた、どこか痛い、といった表現も面白くて、素敵です。 「~よ」という独白調の文末も効果バツグンです。そうでない文(特に「る」で終わる文)がものすご引き締まって見えます。 構成も無駄がなく冗長でもなく、丁度いい、というかベストだと思います。 なんだか上からなコメントになってしまってますが…自分もこれくらい練られた詩が書けるようになりたいなと思いました。
0また生意気なこと言うんだけど これも朗読して動画もアップしてみたらどうだろうか 同じ言葉の 視覚的な効果と 聴覚的な効果ってずいぶん違うし なんだろうそれはオーストラリアとオーストリアぐらい違うことなんだと思う 読むときにこころの中で音読してるひともいる でも基本的にはもう目で読むっていう感じになっちゃってるとおもう 生意気ですいませんがそうおもいました思いました
0追河さん コメントありがとうございます。 素直に照れます。 こんなにも褒めてもらえたのは本当初めてですよ。凄く嬉しいです。 ふと雨上がりに、『五月雨』という言葉をスマホの辞書機能で調べたのがこの詩の着想の一つでもあります。 ヒントを書きました!と言えればカッコいいんですが、私としてもありのままに綴った感じです。 いやぁ意図せず良い作用をもたらしていたようで、良かったです。 読んで頂きありがとうございました。
0Um Fantasmaさん コメントありがとうございます。 ああそうか…私はリーディングでしか詩を感じることが出来ないのか。 人様の詩作品を読むときも、これはと思ったものは必ず朗読しますし、そうじゃなくても必ず心の中で音読していました。 そうしないと、とてもとても人の書いた詩を読み取ることなんて出来ませんから。 そして逆に『目で読んでいる人』のことは私ほとんど理解出来ていないですね。 前作までで視覚的な試みを実践したこともあるのですが、おそらく功を奏していないですし。 少なくとも現状、私は詩を音を通してしか詩をインプット出来ない。 そして当然アウトプットされる詩作品もそういうものになっている… うーん。朗読をアップするのは凄い魅力的なんですが、残念なことに私は自分の声が好きではないんですよね。とても公に出して発表する気にはなれない… 他所のサイトで、投稿されたテキストに対して任意のユーザーが声を当ててくれる所があるですけど、そっちにも投稿はよくしてるんですよ。 許されるのなら、そっちのつてで誰かに朗読して貰ったのをここにアップしようかな… すみません。独り言のようなものをだらだらと書いてしまいました。 ともかくとして、色々自覚する良いきっかけになりました。ありがとうございます。 最後に、読んで頂いてありがとうございました。
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