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桜、忘却、自己嫌悪
視界に映る桜の全てを焼き尽くすのに どれだけの炎がいるのだろう 過去には綺麗に見えた景色も 今となっては夢想と違って色褪せた現在を詰るものでしかなくて 花と花の間に 咎めるような目線を感じるのも当然で 逃れるように酒を呷って 単位だとか就職だとかの下らない話をしていても 時折頭上がどうしようもなく恐ろしくなる 「未来って思った通りには行かないものじゃん」 なんて遠くから聞こえる慰めを聞き流して軽く掘り返した根本には 甲虫すら埋まっていなかった 手に持った紙コップに花びらが舞う 液面に映る顔はだらしなく笑っていて これでいいんだって言い聞かせて 飲み干した酒は酷く強くて不味かったが 胃に入ってしまえばただの笑いの種だ 妥協まみれの未来予想図を語って 薄っぺらい称賛と歓声を浴びる 涙が出るほど笑って呑んで 帰り道で見上げた桜はすっかり綺麗に見えて 罪悪感で死にたくなった
桜、忘却、自己嫌悪 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1599.2
お気に入り数: 1
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2020-05-17
コメント日時 2020-05-28
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
入り方が好きです!
0SNOWMAN911 様 コメントありがとうございます!
1綺麗なものや眩しいものをみたとき、どうしようもなく自分がちっぽけで空っぽで惨めに思えて自虐しかできないんですけど、そんな感情がよく表れていると思います。 胸にはきます。 ただ私も含め、忘れっぽく麻痺して、ぬるま湯が好きだから、それを払拭するような何かが詩の中にあるといいな、と思います。(個人的かつ的外れでしたら、ごめんなさい)
0夜野 群青様 コメントありがとうございます。
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