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Pistol.
柔らかい皮膚に 芽吹きつづける銅色の 76億もの銃砲が 狭い風船へ押し込められ 擦れ合い 火花を散らし ちきちきと鳴いている 誰かに誰かが触れるたび 放たれる光色の 76億もの弾丸は 鉛と壁に跳ね除けられ 砕きあい 離散を繰り返し なおも めらめらと燃えている 76億発もの銃声は 命ではない 姿もない 誰かを 燃やし 粉々にし 次の火薬のために 今日もえんえんと鳴っている それは 耳の潰れたピストルの傍で
Pistol. ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1603.5
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 6
作成日時 2020-04-20
コメント日時 2020-04-26
項目 | 全期間(2024/12/04現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 3 | 3 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 3 | 3 |
総合ポイント | 6 | 6 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 3 | 3 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 3 | 3 |
総合 | 6 | 6 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
人類の営みがサーディンランのように感ぜられました。惜しむらくは「ちきちき」「めらめら」「えんえん」が効果的とは思えないこと。宇宙規模のスケールを感じる作品なので、いっそ削った方が物言わぬ迫力が出るように思いました。
176億もの弾丸! とんでもなく詩的な響きですが、これ人間ですよね。76億人いるんだよね~、みたいなノリと比べると圧倒的な物々しさで面白いです。まさに異化っていうかんじ。斎藤木馬さんのコメントにもありますが、たしかに「めらめら」はちょっとくどいかなと僕も思います。でも「ちきちき」は良いと思います。一回くらいだったらすごく光るイメージがしました。 「えんえん」に関しては、ちょっと読み方に自信がないです。延々なのか「えーん、えーん」なのかわからないということです。延々の方が意味的にクールですが、ちきちきに続くならえーん、えーんじゃないとおかしい気がします。すると、これはかわいらしすぎると思うんですよね。それから最終行の直前の「それは」が若干浮いているような気がします。あってもダメじゃないですが、無い方が好みという意味です(巧拙は、わかりません!)最終行のネタバレも、無くても十分通じるので、何か他のことを書いてもよかったかもしれないな、とちょっと思います。 好きな詩なのでお気に入りに追加しました。「設定」がここまでスッと入ってくることはなかなかないです。どういう上手さなのか知りたいです。良いと思います。
1斉藤木馬さん、いすきさん、貴重なコメントありがとうございます。 「めらめら」、「えんえん」などに関しまして、投稿後も他の表現は無いだろうかと考えておりましたが、仰られるように削ったものと比較してみると、そのような表現自体、この詩にとって必要ではないという意見は確かで、大変勉強になりました。 他の部分に関しましても、もう少し練ってみようと思います。
1リズム感という意味では、ちきちき、めらめら、えんえん、という言葉も含めて個人的には好きです。 試しに朗読してみると、すっと詰まらずに最後まで読めました。 確かに文脈的な表現で言えば余り効果的とは言えないのかもしれませんが、表現を変えるにしてもこのリズム感は損なってほしくないなと思います。 76億もの、銃砲、弾丸、銃声とクローズアップする対象を移していき、そこから最終行に続く流れが良いなと感じました。
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