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無能
予め無かった、という意味をたずねなさいと あてどなく歩き続けました。着の身着のまま、 何も知らないまま走り続けて、欲しかった、その うつくしい白さに目を焼いていたかった。と 転びながら、泥のなか、あえぐ私を抱きしめて いたかったでしょう、と言いたかった。あなたは 至らなかった。道を真っ直ぐ、しいて 清潔な直角を踏みしめて欲しかった。そのまま 乗り越えて行く羽は夢だったのと、気づいて 欲しがったのは誰だったのか、わからぬままに 知らぬ間に、失効していた期限を前に あきらめない、白い道をどこまでも、どこまでも まるで地につかぬような足取り、あるいは羽が あるように思えた希望、抱きしめていたのは 私ではない、希望を、あなたは抱きしめて 見えない。私は、見えなかった。黙って 白い言葉に焼かれて、うつくしい灰も ゆるさなかったね。明日の話をして ずっと、黙って。欲しかった。 終わりが、ただ、ずっと。 ずっと、誰が?
無能 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 897.3
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-07-18
コメント日時 2017-07-24
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
とても良い韻律でした。 リズム感がある方ですね。 内容も流れるようでつまづくようで歩くような走るみたいな そんな昼下がりを思う深夜に早い朝はつらかったり楽しんだり読みました。
05or6さん、感想ありがとうございます。リズム感を褒めていただいたこと、たいへん嬉しくもあり、畏れ多くもあります。 作者自身にとって、この詩の内容はきわめて個人的なものですが、いみじくも5or6さんのコメントに仕込まれた錯綜性のように、特定の意味に結ばれず開かれるよう意識しました。意味に結ばれないからこそ、読み手の経験や記憶や感情と新しく結び付けるような詩であってくれたらと思っています。
0語り手が、誰かに命じられたり、話しかけられたりするようなフレーズと、語り手自身が感じたり思ったりしているフレーズと、「あなた」に語りかけているように思われる部分と・・・不思議なリミックス感がある作品だなと思いました。 〈何も知らないまま〉〈うつくしい白さに〉〈清潔な直角を踏みしめて〉〈あきらめない、白い道を〉〈白い言葉に焼かれて、うつくしい灰も〉 純粋な夢や希望を抱く心を、乱したり汚したりするもの・・・挫折や、人の世の醜さや、世の中の闇の部分、そうした暗さを未だ知らない(知らなかった)時代への郷愁を感じました。〈あなた〉と〈私〉の関係性が、いまひとつよくわからないのですが(わからなくてもよいのかもしれませんが)〈あなた〉は、未だ夢を抱いている、汚れを知らない心の〈私〉であるようにも感じられました。 よごれっちまった悲しみに、の、汚れる前の私へのラブレターのような・・・。
0「しいて 清潔な直角を踏みしめて欲しかった。」や 「黙って 白い言葉に焼かれて、うつくしい灰も ゆるさなかったね。」 など印象的なフレーズがありました。 一番最初の予めなかったという意味を尋ねなさいと言う始まりも示唆的でした。
0なんとなく、言葉になんねぇ作品ですね。 あなたとわたしみたいな物の分裂していたものは一つだってのか、元々無だったのか、みたいな最後の「誰が?」みたいな感じ。「と」とかで息継ぎされ、膨らんで行く詩行と、下降するにつれて覚醒していくっていうか気付いていく詩行みたいな感じで、形にもこだわりが感じられる感じがする。 目的なんてどこにもないみたいな感じで、人生の虚無さみたいな物に無理やり回答を見出そうとして、あなたの為にとか、あなたを目指して、みたいな感じの、目標とか、犠牲?(なんかもっともらしい熟語があったかもしれないが思い出せない)みたいなものを作ったり、設定したりしながら、そうじゃなかったり、そんな人そもそもいなかったり、みたいな、元から横たわっている無みたいな物に気がつかずに、それをごまかす為の具体的な何かを探しては違うそうじゃないと言っている感じ… みたいなものを感じました。そういう事を無理やり頭ひねって書いたというよりは、するするこうして出てきたっていう事は、それは韻律や形だとか、あるいは詩に用いられた何かしらのメタファーはアフォリズムみたいな物の総合的な作用が僕に働いたからなのかなとか、そういう意味で、好きな作品だと思います。長さも丁度よく、短すぎず中身もある意味でシンプルな作品なのかなと思います。
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