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赤子
赤子 わが子 子 児 個 呼 孤 孤島ゆいいつの無線機が故障 「きこえますか おはようございます おはよう ございます」 あいさつは大事です なにをおいても まずはあいさつ 朝はまぶしいから朝ですよ 暗いなら朝ではない なにかです 熱帯魚が溺れるみたいな ささやきで 飛び起きる かわいしょうに また怖い夢でも視ていたんでちゅか のどもとすぎれば あつさをわすれる のどもとちゅぎれば あちゅしゃをわちゅれる ちゅーなごん しょーなごん だいなごん しゅ しゅ しゅごいでしゅ〜 あなた おしたいしておりましゅ こよいのこと わしゅれまじ あに わしゅれまじ〜 幼子は首をかしげる そんな目で見ないで 将来の心配をしなさい まだ人間でないあなたは何になる アワビをさがす潜水夫 赤サンゴの密漁者 水兵さんなんてどうだろう? 血の匂いのする海賊なんて ベランダで 赤黒いブラジャーが はためいている 産褥ショーツも よだれかけも 睡眠不足も 生命の危機も 誤飲したビニールの端も もはや ぐっと肢体を畳んで 南半球まで伸びる乳管のなかを 這って進むしかない ボルネオあたりでちょろちょろ臍帯血が合流 羊水の大海へと至る 海面から顔を上げると 太陽はまぶしかった 精悍なヨットが一隻 「大丈夫ですか ほら 乗ってください」 甲板から手を差し伸べたのは 私に似た セーラー服の青年だった
赤子 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 838.6
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-07-16
コメント日時 2017-07-26
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
〈南半球まで伸びる乳管のなかを 這って進むしかない ボルネオあたりでちょろちょろ臍帯血が合流 羊水の大海へと至る〉 このフレーズに、大きな母体としての地球、その中をうごめいていく命・・・というようなイメージを描出されたいのかな、と感じたのですが・・・真ん中の幼児語?の部分は、幼子に話しかける側、の語りなのかな・・・(一時、ワイドショーをにぎわせていた、T議員の幼児語も、連想しつつ)となると、セーラー服の青年に似た〈私〉が、孤島で幼子に話しかけている、という景が浮かぶ、のだけれど・・・。 最終連は、孤島からの救済者の暗示、なのか。赤子は、閉じられた空間、孤絶した空間で、生まれ変わる〈私〉自身でもあるのか。謎が残る作品でした。
0赤子から始まるオートライティング形式での連想イマジン。このテクニックは書き手側は楽しいですがその文は中々読み手には届かない、いわゆるオナニーポエムになるのが大半ですが、この詩は中々良い意味でも悪い意味でもギリギリのところで堪えていると思いました。 エログロやナンセンスの 手前、その先にある狂気が届きたいのか傍観するのか、作者の方向性が楽しみです。
0コメントありがとうございます まりもさん 仰るように、幼児語は二人きりの孤島で母親が赤子に話しかけているつもりでした。言葉のわからない赤子と話しているとどんどん意味不明な独り言になっていくのですが、流れの中で唐突で状況が掴みづらいですね 最終連どのようにとっていただいても、なのですが、赤子と二人で今は煮詰まっているけれど、いずれこの時期は過ぎて赤子は大人になるということで、ヨットから手を差し伸べた青年は<私>に似た、成長後の息子というイメージでした。 いい意味で謎を残しているというより、「伝わっていない」ほうの悪い謎を残してしまった印象がありますね 5or6さん ギリギリセーフととって大丈夫でしょうか…… 読み返しての反省は、アレゴリーに固執すると読者の中で想像が広がっていかないし、自己満足という気もします 貴重なご意見ありがとうございます
0こぉれは詩中のイメージがぐんるぐんる回っていきますな。目まぐるしい。嫌いではない。
0祝儀敷さん ありがとうございます。名詞のもつ視覚的な力をうまく導入していきたいのですが…精進します
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