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口笛
夜に口笛を吹くと 蛇がやってくる らしい 試しに吹いてみた 頼りない 空気のひっくり返った 音が 部屋の真ん中から たちのぼった 蛇はどの辺から 来るだろう 窓の隙間じゃ狭すぎる ドアはしっかり締まってる もう一度 口笛を吹いた 今度は太い音 犬が飛んできそうな ピリッとひっぱる音だ 犬は来ないし 蛇も来ない 口笛で歌ってみた 懐かしい愛の歌を 蛇がやってきた まん丸の目の 生白い 小さな蛇だった 毒はなさそうな 毒に弱そうな顔 ゆらゆら ゆれながら こちらへゆっくりと 口笛をやめると ゆらゆら ゆれながら ふわりと消えた 口をすぼめて やめた 朝が来るから
口笛 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 926.2
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-07-11
コメント日時 2017-07-15
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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可読性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
花緒さま 拙作を細部までお読みくださり、評価くださいまして、ありがとうございます!とってもうれしく、ありがたく思いました。大きな励みになりました。
0「夜に口笛を吹くと 蛇がやってくる らしい」 「口をすぼめて やめた 朝が来るから」 うーん、可愛らしい! 絵本になりそうな作品だと、思いました。 ちいさな女の子が蛇を呼びました。「夜になるとやってくるらしいの、ホントかな?」 女の子は、口をすぼめてやめたのでした。「もう、朝だなァ」 なーんて、挿絵付きで。うーん、可愛いですね。
0言葉の区切り方の、プツプツとしたリズム感が面白いですね。確かめながら、言葉を置いて行く感じ。 最初は、ひそかに恐れながら口笛を吹く。当然、頼りない音、声が緊張で裏返る、というような言い方をしますが〈空気のひっくり返った〉これが面白い。部屋の中の空気全体が、引っくり返るような感じ。 出てこない、ので・・・もう一度吹く。〈今度は太い音/犬が飛んできそうな〉この陽気さ、身近さ。犬なら、もし出て来ても怖くない(笑)ですね。万が一、呼び出してしまった、としても。 〈口笛で歌ってみた〉気持ちが楽になって、大丈夫だ、私の言葉で、恐ろしいものを呼び出してしまう、そんな心配、しなくていいんだ・・・とばかり、陽気に口笛で歌い出す。と、「ほんとうに」蛇が出て来る。ぜんぜん、怖くない、かわいらしい蛇が。 河合隼雄さんの『影の現象学』を、遠く思い出しつつ・・・自分の無意識や、心の深淵をのぞき込む旅は、かなりの恐怖や不安と直面するものだと思います。それでも、深い穴を覗くみたいに、怖いもの見たさに、その闇に引き寄せられていくのも人間。 その旅は、何によってなされるのか・・・詩を綴る人にとっては、それはやはり、言葉で為されるのでしょうね。自分自身の自問自答、感情との対峙、時には醜いものを見てしまう、こともある・・・でも、そのことを恐れずに〈愛の歌〉を吹けたら。きっと、無意識の闇、自身の影に満たされた夜が明ける、そんな気がします。
0田中修子さま はじめまして!コメントくださり、ありがとうございます。絵本になりそうな作品、との評、とてもうれしかったです!楽しんで頂けたご様子、書いて よかったと思いました。 まりもさま 細部までお読み頂き、的確なお言葉をくださいまして、ありがとうございます!この作品の中にある「怖い物見たさ」を楽しんで頂けて とてもうれしかったです!
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