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石油、ときどき水
歩幅をゆるめたところから 花が散り始めて 交わす約束は銅板になった 雨の日に、葉の匂いを強める植物と 部屋で場所をゆずり合う 緩やかに水は流れ 横に 底をまだらに残した湖が わたしたちの足音を溜めていた 手紙が届くまで 眠る夜のあいまで雨が守る 匂いが届く頃 伝えに来る声が過去を洗う頃 手のひらの静脈に波が打ち寄せる
石油、ときどき水 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 2691.0
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 14
作成日時 2019-12-04
コメント日時 2020-01-27
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 10 | 10 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 2 | 2 |
技巧 | 2 | 2 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 14 | 14 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 3.3 | 3 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0.7 | 0 |
技巧 | 0.7 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 4.7 | 5 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
目を引くショッキングさや、一言で心を奪われるキャッチーさはなくとも、 確かな筆致で見過ごせない美しさを感じます。
0蛾兆ボルカさま 返信遅くなりました。自分でも約束と石油は結びつけて考えていなかったので、目から鱗でした。気付きをありがとうございます。 疲れているときにいい詩が書けることが多く、創作のスタイルとしてそれはどうなのか?と思いつつも、出来上がったものの手触りは気に入っています。
0楽子さま 再読に耐え得る、読み返すほどにイメージが広がるものを書きたいと考えています。そのように読んで頂けて幸いです。
0たもつさま 読んでいただき、ありがとうございます。 たもつさまのコメントで、この詩がより磨かれたような気がします。 コンスタントに書き続けます。
0おそらく初めましてでしょうか。 nさんの詩はたびたびこっそり覗いていて「好きな詩だなぁ」と思っておりました。一応こっそりポイントだけ入れていたものの、何かしらコメントを残して行こうと思います。 待ち人を思う気持ちを叙景のあわいに漂わせる薫香、あるいは水彩の淡い色波が綺麗です。固有名詞によらない「雨の日に、葉の匂いを強める植物」なども利いていますね。 >交わす約束は銅板になった なぜ、ここで“銅”なのか。銅は金属として柔らかく、また熱伝導の効率が高い性質があります。ここに、詩的主体のナイーブな情緒の揺らぎを感じました。 また、銅板といえば版画に使われる素材で、描画する際には裏返した下絵をなぞってニードルで掘ると言います。ある意味、約束を胸に待ち人に焦がれる歳月がその描線を腐食し、慕情の輪郭を深め、あるひとつの理想的な未来、あるいは過去の姿を象っているのかもしれません。 静かな響きのなかに豊かな叙情のある佳作だと思いました。
0すみません、 >nさんの詩はたびたびこっそり覗いていて ふと確認してみたところ、nさんの投稿作がここ数週間の二作のみと知り、びっくりしました。 別の方と混同してしまったのか、はたまた架空の記憶を幻想したのか。何はともあれ申し訳ありませんでした。
0なゆた創a.k.a.NORANEKO さま 銅についての補足、ありがとうございました。銅版画をモチーフにした表紙のノートを大切にしているので、無意識に言葉が引き出されたのかもしれません。 的確かつな聡明コメントで、読み応えがありました。
0「石油、ときどき水」というタイトルが本当に今時で好きです。ですが詩の中身は一節一節が重たい、鈍重感がある。確かに多くの方が指摘しているように美しいのだけれど、使われている語彙同士の意味が密集している印象。「石油、ときどき水」というタイトルから引き起こされるようなポップさが欲しかった。それで読み手に伝わる部分が現行の詩のように美しければなお良かった。一語一語が元から持つインパクトに頼りすぎかなと。これは多大な期待値込みでコメントしています。よろしければご賞味ください。
0stereotype2085 さま 返信遅くなりました。語彙の意味が密集というのは確かにそうかもしれません。意見をありがとうございました。
0静的で綺麗な文体で、選語センスも良いと思いました。ただ、人の認識にそのまま寄り添いすぎているというか、滑らかすぎるというか、もうちょっと意外性のある表現があるととっかかりになって強いんじゃないかなと思いました
0星空そとば様 気付くのが遅れました。指摘された点、確かにそうだと思うふしがあります。これからの作品に生かしたいと思います。読んでいただいてありがとうございました。
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