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白いたんぽぽ
「なんでこんな人間なんだろう?」 たんぽぽを持ったあなたはフーッと息を吹きかけながら飛んだ白い綿を目で追いかける 「私って人より駄目なんだ」 あなたをちらっと見ると嬉しそうにあなたは微笑んだ 「たんぽぽ、全部飛んでった」 フワフワの白い綿は風に乗って揺れて遠くへ見えなくなった 「昨日私がここにいたら、たんぽぽは何処にも飛んでいかなかったかも。」 「私が、明日ここにいたらたんぽぽはもう飛んで無くなってたかも。」 たんぽぽの話しなんて… 私がそう言い掛けた時、あなたはこっちを見た 私はドキッとした 「あなたが昨日、ここにいたら私には会えなかったかも。あなたが明日ここにいたら、私はもういなかったかも。」 「そんなこと、あり得ないでしょっ…」 言い終えた後、俯きながら噛んだ唇が痛かった フワッと風の気配を感じて、白い綿が沢山流れていくのが見えて、パッと横を向いたら 沢山の白い綿になったあなたは何処にもいなくって、多分あなたであるあなたは風に揺れて何処までも飛んでって見えなくなった 「今日、あなたに会ってなかったら、あなたは明日ここにはもういなかった…?」 誰も答えてくれない問いかけの中に、風の微かな音が混じった 「どうしてこんな人間なんだろう…?」 私が知りたかったのは、多分そんなことじゃあ無くって 隣に、あなたがいて、私がいて、 その横を沢山の命が通り過ぎてって、 あなたがただいてくれたらそれで良かったのに。 こんな問いかけに、答える訳でもなくただ隣で聞いてくれるあなたがいてくれたら、それで良かったのに。
白いたんぽぽ ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1309.1
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 8
作成日時 2019-12-01
コメント日時 2019-12-08
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 6 | 6 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合ポイント | 8 | 8 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 3 | 3 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0.5 | 0.5 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0.5 | 0.5 |
総合 | 4 | 4 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
酷く、故郷を思い出して、帰りたいなあと強く思いました。鼻の奥がつんとして、故郷のたんぽぽを次に見るのはいつになるだろうと、そう思いました。 穏やかなのに寂しげな雰囲気が、とても好きです。
0読んで頂き、コメントまでして下さりありがとうございます。とても嬉しいです。 故郷のたんぽぽの種が、素敵な風をまとってここまで飛んできますように!
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