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む(ム (無 (夢 ) ) 口(くち) ちゃん、日曜日を過ごす
一度も付けた事のなかったラジオを聴きながら、パスタを茹でているわたしの口はム口。隣の部屋から鳩時計の聞こえるアパート。ベランダのない二階建てのアパート。隣から、やかんの沸騰する音楽が聞こえる。日曜日の昼下がりの窓辺。誰かが布団を叩いている路地裏の風景。常に固定された空間。ルーティーン。口笛にして発音する。ぴーぴぴー。るんるん。二度と、誰も死ぬことはないんだよ。みたいな鳥たちの囀りが耳を濡らしていく。今朝明日の分のゴミを出そうと思った、ゴミ捨て場で丸くなっていた一話の雀を両手ですくいあげて燃えるゴミの袋に入れてあげた。 みたいな 絶望感)笑)思考の速度で)床に)足を伸ばしてバタ足)した。肌の荒れ具合を鏡で細かく確認しながら)指先でなぞっていくわたしのかお。を。((もっと綺麗な状態で生まれたかった。ちょっとだけ膨れた腹と、繊毛の生えた少しだけふくよかな腹の稜線をなぞった所で、なんとなくシャワーを浴びたくなった。所で、パスタが茹で上がり。 お湯を流しに流してしまう 塩が足りなくて、微妙に束になってくっついたパスタを菜箸で分けながら、わたしはたらこスパゲッティの為のソースをギリギリまで搾り出す。 曇天の向こう側から微かに匂ってくる太陽の香り。フェイス(信仰と横顔)神様。ラベンダの神様。今にも落っこちて一回のおじいさんの頭にあたってしまいそうな。ラジオから聞こえる念仏。遠雷。ピカピカしているもの。マスク。捏造した睫毛の向こうに見える見せかけの深淵。 床に転がったトイレットペーパーを巻き上げて鼻をすすると、血が出た。それを身体に巻きつけて包帯の代わりにしても、雨の水に溶けてしまう( ( みたいな幻想 ) )掲げた両手に残った、紙とも水とも見分けのつかない透明な膜を捧げて、わたしは何かの、誰かの、供物になりたかった。と夢想する、日曜日の午後の、雲、の向こう側に、わたしは行きたい( (生きたい) )旅がしてみたい。嘘。旅がしている時のような気持ちになりたい。それでもってこの時間がもう一度愛おしくなるようになりたい。 やかんの沸く音、幻想、の屍、午後、三時を回って、公園から散歩してきたおじいさんがボロボロに錆びれた手すりに身をまかせながらヨチヨチとアパートの階段を登ってくる。その音が聞こえたわたしは部屋を出て、助けようと思ったんだけど、そんなおじいさんはどこにも存在しなかった。ただ、音だけが窓辺に置かれていただけ。
む(ム (無 (夢 ) ) 口(くち) ちゃん、日曜日を過ごす ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 974.4
お気に入り数: 0
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ポイント数 : 0
作成日時 2017-06-25
コメント日時 2017-06-26
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
北さんありがとうございます。 今言われて気がついたのですが、塩を入れる理由をずっと誤解してたみたいですね。母親になんで塩を入れるのか聞いた事があって、その時に麺がくっつかないようにするためと言われ、そのままずっとそういう物だと思っていました。今思うと、多分母は理由がよくわかってなかったのかもしれません。 それでもって、一人ぐらしを始めてからも、塩を入れなかったらくっついたので、そういうもんなのかなとか。今考えると、単純に茹でるのが下手くそだったのかなと思います。 というわけで、単純に誤解に誤解が重なった結果からくるものです。思わぬ突っ込みがはいって割と動揺しております。いやー、まじすか。六年くらいそう思ってたのが、砕ける感じで、うーん、ショックです。でも冷静に考えると塩関係ないよなとか思いました。理屈もよくよく考えるとアレですね。なんで塩入れたら麺が解けるんだとおもってたんでしょう。 なんにせよ、情報ありがとうございました。今度書き直す時は書き直すか、情報をちょっと修正した形で掲載します。
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