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Note:
いらっしゃいませがこだまする ¥50のシールがしがみつく微積入門のすみに、注釈 ゲルインクのふくらみが、そこなしに、あかるい ※朝は微分不可だが、夜は全微分可能である いま、歩道橋が、自動ドアの向こう、 ない秒針、チッ、チッ、チッチッチチチチチ ゆだねられた、むちゃくちゃな [proof] ガラスに絡みつく光子がビル群を編み出し とびとびの天面がきもちを無作為にする 歩道はおびただしい靴底のしたで明滅し 蛇行する未来軸が跳躍して途絶する 背から吹いた風だけ 明日に向かって収束している 藍染め液をたらふく含んだ気体が街を沈め 希釈する街灯の芯から真夜中がはじまる 巧妙に連結したインジゴのおいでおいで サラリーマンがじわり発現しては溶解する 鼻先へ吹いた風だけ 過去に向かって発散している <uncompleted> チチッ、チ、こだま、 問も解もなさけないままがいい ペン先が離れた瞬間から、ゆだねられる かくひとは横暴、よむひとも、だから 文書1になりうるすべてに あらゆる黒よりあかるい黒で ※詩のすべてが、注釈である
Note: ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 2348.2
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 36
作成日時 2019-09-24
コメント日時 2019-09-29
項目 | 全期間(2024/11/22現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 8 | 8 |
前衛性 | 2 | 2 |
可読性 | 8 | 8 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 12 | 12 |
音韻 | 5 | 5 |
構成 | 1 | 1 |
総合ポイント | 36 | 36 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 2.7 | 3 |
前衛性 | 0.7 | 0 |
可読性 | 2.7 | 2 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 4 | 1 |
音韻 | 1.7 | 0 |
構成 | 0.3 | 0 |
総合 | 12 | 7 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
深みがあるんじゃないかなあと思いました。ただその深みが散乱していて探り入ってみようかと思いましたが、どうも二度読む気になれない。すみません。
0みうら様、コメントありがとうございます。 >二度読む気にならない との評価、染み入ります。 具体的にどの部分が悪いという段階にない作品であるという事だと思います。 コンセプトから再検討させていただきます。 ご助言ありがとうございました。
0仲程さま、コメントありがとうございます。 >いろいろうまくもりあがったり、つながったり 大変わかりやすいご助言、ありがとうございます。 みうらさまもご指摘してくださっていますが、書きたいことが先行するあまり内容が散乱しており、つながりが薄い構成になってしまっていました。 コメントをいただくことでないがしろにしていた部分を深刻に捉えることができました。大変感謝しています。
0>※朝は微分不可だが、夜は全微分可能である この表現が詩情を孕みそうで孕まないギリギリのところで、詩情が孕まなかったっていう印象です。「朝が微分不可」とは「朝」(または「朝」に流れる時間や知覚)の不連続性や離散性についていっているのでしょうか?あるいは「夜」の場合はそれが連続的になるということなのか。 作品のどこかに作者が何を感じたかのヒントが欲しい。 もしこの作品を楕円に例えるとするならこの最初の注釈が一つ目の大事な焦点となっているように感じますが、焦点としての役割を果たしきれていない気がします。ただ「朝は微分不可だが、夜は全微分可能である」という表現自体は全然悪くない気がします。 特に「proof」の部分では詩文が言葉に翻弄されてしまい、焦点が作品全体を画鋲でビシッと留めて置くことができずに、作品のそれぞれの部品が楕円にそった軌道上を疾走する点Pの遠心力でバラバラに瓦解してしまっている感じがします。ちょうどこのコメントのように。 それにしても二つ目の焦点である >※詩のすべてが、注釈である これは、稀にみる名言だと思いました。詩だと思いました。
0抒情性と技巧と音韻に5ずつ入れさせて頂きました。
0リズムが心地よくて歌詞にもなりそうだと思いました
0沙一さま、コメントありがとうございます。 >詩は、自分という存在の注釈 本作は問として少々情け無さすぎる節がありましたが、解としてそのような感想をいただけたことが大変嬉しいです。 細かな感想をありがとうございました。
0survofさま、コメントありがとうございます。 >「朝が微分不可」とは「朝」(または「朝」に流れる時間や知覚)の不連続性や離散性についていっているのでしょうか? はい、制作意図はおっしゃる通りです。 本作の構成として、この第三者からの問(※)に対する主人公の解(朝の不連続性、あるいは夜の連続性の示唆)、つまりは >作品のどこかに作者が何を感じたかのヒント に該当する情景を[proof]以下によって提供する予定でした。 しかし、客観的には問の投げっぱなしジャーマンになっており、うまく機能していなかったことはみなさまのコメントからも自省するばかりです。問と解の関係を構成の段階からもっと明快にしてみようと思います。 >焦点としての役割を果たしきれていない 大変勉強になります。指摘を受けて、[proof]の内容如何によってはもう少し※が生きてくるような気がしてきました。ご助言を参考にして、まとまりと連続性のある文章(特に夜に関して)を検討してみたいと思います。 最後に勿体無いお言葉ありがとうございます。 詳細なアドバイス、大変参考になりました。遠心力に負けないような構成を再考しようと思います。 ありがとうございました。
0まとまった時間が取れず、一度に返信できなかったことをお詫びします。 天淵鱗子さま、コメントとポイントありがとうございます。 参考になります。 Sunano Radioさま、コメントありがとうございます。 リズムは一種の読みやすさとして意識したので、そうおっしゃっていただけて嬉しいです。
0最初の場面、値段から古本屋が舞台でしょうか。象徴的な意味の50円かもしれませんが。続いて、「未完」を意味する<>が連の終りに。タイトルらしきプルーフはウォータープルーフが耐水の意味からして、光が主役かもしれませんが、水も潜在的に感じられました。まあ詩の内容からも藍染め液、インジゴなどですね、液体的なものが登場していました。詩のすべてが注釈とはどう言う事でしょうか。詩の批評性でしょうか。ボードレールや吉本を考えると詩と批評は不可分一体なようにも感じられますが、吉本は詩の筆を絶ってからは批評一本だったような気がするので、両輪と言うわけにはいかないような気がしてトーンダウンしてしまいます。
0エイクピアさま、コメントありがとうございます。 >タイトルらしきプルーフはウォータープルーフが耐水の意味からして、光が主役かもしれませんが、水も潜在的に感じられました。 なるほど、私自身も気がつかない視点でした。 私がROM専としてビーレビを訪問している期間に、エイクピアさまの作品を幾度も拝読しました。その度に「それぞれの詩語が独立しつつも、美しく調和している」といった印象を受けてきました。そのような高度な技術の根源は、言葉のもつ非表面的な意味を鋭く読み取る感性にも起因しているのだろうと感じています。 >詩のすべてが注釈とはどう言う事でしょうか。詩の批評性でしょうか。 詩のすべて=注釈としたとき、エイクピアさまの「注釈に批評性がある」という視点が新鮮に感じられました。私の中で、注釈は「主たる情報により詳しい情報を補足するもの」というイメージでしたが、その過程で主たる情報への批評が起きているというのは確かに自然な考えです。正直に申し上げれば、盲点でした。 ということを前提に質問に回答しますと、浅はかにも批評性はまったく意識していなかったということになります。 不勉強にも、かのボードレールが評論家としても名高いことをつい先ほど知りました。一度、じっくりと彼の生涯を追い、詩と批評の関連性について勉強してみます。 私にはない視点を知覚させていただきありがとうございました。大変勉強になります。
0語と語の距離感だったり、指示対象と語の比喩の感覚がすごく鋭敏だと思いました。 藍染め液~ 希釈する~ の二行は特に、わたしが言おうとして思いつけなかった言葉を、跳躍して拾ってこられたんだな、と感じる。 わたしがいちばん好きなのはそこでした。いいのを読ましてもらいました。ありがとうございます。
0田邊容さま、コメントありがとうございます。 >指示対象と語の比喩がすごく敏感 そのような評価を人から受けたのは初めてなので、大変嬉しく思います。 お褒め頂き光栄です。 拙作を読了いただきありがとうございました。
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