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殻の音
胃がヒンヤリとして重い ビー玉くらいの冷気が 平気で僕の胃の中を コロコロコロコロ 転がってる いつになったら消化されるんだろう 束の間のトイレから外界へ出た僕は思った 思うに悩みはニキビと一緒じゃないのか 潰そうとすればするほど 膿が絶え間なく流れて また隆起を作る 蓋を重ねる 首や頭から消えたと思ったら 背中にできているじゃないか テレビのショッピング番組の 胡散臭い化粧水のCMなんかを思い出して 対処法なんてないんだと考える 対処の仕方が周りにあふれているのは 知ってても 人と顔を合わせて話しておきながら 「なんで人と喋ってんだろう」 刹那に走る 内的な電撃 意思疎通 情報伝達 生活を楽しむ 人間好き 会話の意義を 見出そうとするのは 笑いどころを説明するみたいに 見苦しくて 辛い 楽しい世界を夢見て そういう世界を作ろうとしている人たちがいる アクティブに生活したい みんなバカになって面白くなればいいのにと思っている人がいる 歩み寄りたい世界なのに 距離を感じてしまう 環境に適応できなくて死んでしまうマンモスのように バカでかい音を立てて倒れるくせに 反響はすぐに止んで のたれ死にしそう ビリー・アイリッシュを聴いて 夢に落ちる 囁きが僕を包む 湿った姿をした救いに笑顔を見せる エミネムを聴いて 全く聴き取れないライムを反芻する 唯一聴こえる 「FUCK」 に想いを馳せる 誰かの作った寄せ集めの品 という自覚を持って 生きる 模造品と“自分”の間 そのさなぎを 打ち破っている最中を感じている
殻の音 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1403.6
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 3
作成日時 2019-09-09
コメント日時 2019-09-10
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 3 | 3 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 3 | 3 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
いいもの読ませていただいた気持ちになりました。自由な感じで、自分の言葉を持っていらっしゃる。ただ、本作にはとんでもない才能を感じるのですが、まだ開花する前のように思いました。次回の作品を必ず読みたくさせる魅力を受けました。なんの権威もないのに偉そうにすみません。
0みうらさん、ありがとうございます。 自分の感じるローな気持ちが駄々もれのまま書いてしまったので、愚痴になっちゃったと思ってました、、笑 そんなに言ってもらえると嬉しいです。 今後は自分の心境や空想、イメージを工夫して練って、表現していきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
0「〜る」の多用が独特の波のような心地良いリズムを作っているとも言えると思うし、あるいは読む時の気分によっては非常に単調に感じられるかもしれないとも思いました。「〜る」終わり含め基本「u音」締めの行の連続の特に後半部分で >環境に適応できなくて死んでしまうマンモスのように >バカでかい音を立てて倒れるくせに >反響はすぐに止んで のたれ死にしそう と、この3行は、すこしリズムを横に流すような感覚、もしくはここだけリズムを引っ張っている感覚があり、単調になりすぎないような効果があるように感じられます。 あと、ひとつの行にスペースを挟んで二つの文(というかフレーズ)を連ね手法、例えば >首や頭から消えたと思ったら 背中にできているじゃないか >テレビのショッピング番組の 胡散臭い化粧水のCMなんかを思い出して >歩み寄りたい世界なのに 距離を感じてしまう >潰そうとすればするほど 膿が絶え間なく流れて など、かなりたくさん使われていますが、個人的な感想としては、このスペース部分で言葉の流れが毎回もたついているような印象があるのがちょっと気になりました。それぞれのスペースにそれぞれ違ったニュアンスの「間」が感じられれば、もしかしたら非常に繊細な緊張感を紡ぎだすことができる手法なのかもしれませんが、なんだろう、この作品を読んでいると私の場合これらのスペースの箇所でだらっとしてしまうんです。 つまり、どのリズムで読ませたいのか、というのがあまり明確に伝わってこないので言葉がリズムに乗って入ってこないところがあり、感傷だけが言葉の表面で上滑りしてしまっているような感覚があるます。 一方で >胃がヒンヤリとして重い >ビー玉くらいの冷気が 平気で僕の胃の中を >コロコロコロコロ 転がってる >いつになったら消化されるんだろう といった非常に冴えた表現もあり、とても気になった作品でもありました。
0survofさん、アドバイスありがとうございます。 常に語尾への違和感を持って詩を書いていながら、中々違和感やリズムのつっかかりにどう対応すればいいのかわからなかったので、大変勉強になります。 どのリズムで読ませたいのか、という点も今後意識していきたいと思います。ほぼ自分の体感に合うものだけでリズムを決めていたので、まとまりを作れるように頑張ります。 個人的にはベタかなと思っていた一節目も、考えてみれば一番軸が立った節だと気づかされました。
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