別枠表示
泥中
善人になるほど固くもなく 悪人に成るほど澄んでもいない 私は 人の形を作れているか 世の底の 泥の中で 私に形はあるだろうか それは 人の形をしているか 教えてくれ 虎になることを 恐れるほど 私は人の形をしていなかった せめて 死ぬ前に 人間になりたい。
泥中 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 2205.1
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 68
作成日時 2019-09-02
コメント日時 2019-10-10
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 24 | 16 |
前衛性 | 3 | 1 |
可読性 | 16 | 8 |
エンタメ | 7 | 1 |
技巧 | 6 | 0 |
音韻 | 4 | 0 |
構成 | 8 | 3 |
総合ポイント | 68 | 29 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 3 | 2.5 |
前衛性 | 0.4 | 0 |
可読性 | 2 | 2 |
エンタメ | 0.9 | 0 |
技巧 | 0.8 | 0 |
音韻 | 0.5 | 0 |
構成 | 1 | 0.5 |
総合 | 8.5 | 5 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
良き詩とは神々がもごもご言葉を呟いているようなものだと以前にきいたことがあるのですが、本作にそれを感じました。叙情性に6点入れました。
0うーん好きです。 人間に対する強い憧れと、それに付随する善も悪も飲み込む人間賛歌。 虎になることを恐れるほど人の形をしていない、 にハッとさせられました。
0「世の底の 泥の中で」で以降、面白味がどんどん増していきますね。そして核心に迫っていく。人の形をしているか、という話者自身への問いかけが痛切で胸に響きます。それでいてこの詩におけるラストですからね。良作だと思います。惜しむらくは冒頭が詩を読んでもらうためには、少しスクウェアで食いつきがなかったところでしょうか。しかしそこを意識すれば、もっと刺激的な作品が出来上がると思います。雑感で失礼を。
0世の底の泥の中でやなどに泥といい表現が混沌とした印象が最初の善人とも悪人とも言えない状態も連想させて良い表現、タイトルだと思います。改めて人というもの、及び生き方を考えさせられる詩であり、死ぬ前にと言うのが活きていて言葉選びに尊敬します。
0虎になるのを恐れる、というところは、山月記からきているのかと思いましたが、「恐れるほど人の形をしていなかった」という言葉は、心に響きました
0自己という、取り留めのない存在を保ち続けなければならない苦悩が表現されているように思いました。
0時間の経過で過去作品にコメントできないのですね。この作品以前のものにコメントいただいた方、ご返信出来ず申し訳ありません。 たくさんコメントをいただきありがとうございました! これは、おかき大明神さまの「いつか怪物になる私へ」という随筆(現在は該当ページが削除されてしまったためご紹介できないのが残念です)を読んで、また、当時私もかなり落ち込んでいた時期に書いたので今は明確にその時の気持ちをお答えできませんが、虎という表現は、正しく、中島敦著 山月記 で表現された虎です。 山月記は皆さんご存知かと思います。 私にはあれは、とりわけ人間らしい人間の話に感じるので、私のような時折自尊心が見つからなくなる人間には、虎になる素質自体が羨ましく憧れます。 み う ら様 コメントありがとうございます! 恐れ多すぎるお言葉にたいへん恐縮です……神々でもなんでもないもののもごもごでした… 中程様 コメントありがとうございます! 済んでいることは特に良いことというわけでもないかもしれません。欲や妬みは人間らしいか心だと思います。それがなくなったらどうなってしまうのか、怖いですね。 楽子様 コメントありがとうございます! 人間であることは素晴らしいことです…。人間だというのに人間になれないときはただただ憧れます。 お気に止めていただきありがとうございました! stereotype2085様 コメントいただきありがとうございます! 私も冒頭とあとラストがあまり気に入っておらず、何度か構成をしたのですが、時間が経つと気持ちがわからなくなりそうだったので投げてしまいました。 今後の課題ですね、細かい部分にもお気づきいただきありがとうございます! 玄関の人様 コメントいただきありがとうございます! 個人的に泥という表現が好きで……… 泥濘みの中は人の形など関係ない、過ごしやすい場所な気がしています。 自己が確立できないときは泥濘にいたいですね。 丁寧に解釈いただき感無量です!ありがとうございました! ジャンブリーズ様 虎になることは尊大な自尊心故らしいので、極めて人間的な恐怖だと思います。ただその人間的恐怖にさえ辿り着かない何かも現代には確実にいるのかなと思います。 恐れ多いお言葉をありがとうございます! 三文字様 コメントありがとうございます! 苦悩、ほんとにその通りでした。これを書いたときは苦しんでいました。またいずれ苦しむかもしれませんが、言葉に起こすことができるだけ私は幸せ者です。
0うーん私は人に生まれて 人であるのか ちょっと考えてしまいました 真人間ではないだろうし 出来損ないでもない 慈悲深くもないし 冷徹でもない 私という人の位置について考えちゃいました。
0カオティクル 様 コメントありがとうございます! あまり自分がどんな人間か意識することも無ければ、確固たる自己なんてもの持ってなかったりしますよね。 ずっとそれに悩み続けて初めて人生だから、それでも良いと分かってるのに、たまに不安になってしまいますね。
0