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夏の記憶か幻想か
かなわない憧れに歪んだ記憶が 季節を失わせて生きている 意味が薄れていくようだった そう、あの等間隔に並ぶ ナトリウム灯の明かりは尾を引いて その中を駆け抜けてゆくのが 夏だった夏の記憶だった エレベータは冷たい棺桶のようで 羽根を広げたまま踏み潰された 、蝉は登って降りてを繰り返す 街は気持ちがわるい 気持ちがわるいひとばかりがいて いて、いて、いて、 まともなふりをするのに疲れて 歌を歌いながら歩いても 誰も気にしないから狂っていく 狂っていくきみがいないせいだ それもこれもあれもそれも きみがいないせいで まともでいる理由がないから 狂っていく、
夏の記憶か幻想か ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1601.3
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 4
作成日時 2019-08-18
コメント日時 2019-08-20
項目 | 全期間(2024/12/26現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 2 | 2 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合ポイント | 4 | 4 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 0.5 | 0.5 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0.5 | 0.5 |
総合 | 2 | 2 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
ナトリウム灯の夏の思い出と言えば、あの青白い光に蚊や羽虫などが向かって行き死んで行く。誘蛾灯とも言うものを思い出します。飛んで火にいる夏の虫見たいな格言を思い出しました。
0狂うほどに、彼女のことを思っていたという詩でしょうか。いなくても、また別に生きる意味を詩の主人公が見つけることを願います。
0叶わない憧れ、のためにすべてが歪んでいく。きみがいないせいであることが繰り返されるのですが、狂い方。歌を歌う、ところでなどが出てきますが、もっと真に迫ってくる狂気まで掘り下げても面白いのではと思いました。 >羽根を広げたまま踏み潰された >、蝉は登って降りてを繰り返す >街は気持ちがわるい この蝉から気持ちわるいに繋がる箇所がスムーズに気持ちわるさ、が感じられていいな、と思いました。
0エイクピアさま コメントありがとうございます。誘蛾灯、わたしも好きです。 ジミーさま コメントありがとうございます。そのような読み方もできるのか、と新鮮です。気にかける人がいなければ服なんか何着ててもいいかなあとどんどん全てがどこまで正しくしてればいいのか自分じゃわからなくなってきた、ような気持ちでした。 帆場蔵人さま コメントありがとうございます。誰にも気づかれないうちに明るくゆっくり狂っていく、ことに最近は興味があります。
0少し書き足りない印象を持った。本作において、誰が、どこで、何をしていて、などの基本情報があまり無く、殆どが精神内の出来事で完結されているのが勿体ない。 また、多くの感情表現(狂っていく、気持ちが悪い、など)に対して、裏付けというか、そこに至った過程を描くことが出来たなら更にリアリティの増す作品が出来上がると考えた。また、本作はそうした方が、読者の心を掴めるのではないか、とも。 他方、 >エレベータは冷たい棺桶のようで >羽根を広げたまま踏み潰された こちらの詩句は練度の高い表現と感じた。羽根、という語が言わば唐突に現れたことで、大空を羽ばたきたかった情念を想起させられるし、エレベーターという、動く狭い箱を「棺桶」と直喩することで、無言で動くエレベーターと世間を繋ぎ合わせることも出来た。
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