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稼働域フェチ
前略 神社の境内のながい石畳の階段を歩いて きずきました わたくし カドウ域フェチなのでございます 鳥はイキモノの可動域を知らせてくれる 「愛(う)い奴 もちと 近こうよれ」と おもうほどに 福々しく そうするわ「ちゅん」と 答えてくれるから 愛らしい そんな私の母は 普通の人の視野の壱%しかないのでございまして 鳥というイキモノが大嫌いなのです 突然 視野に入ってくるので 恐怖なのだそうです すずめすら 嫌いなのでございます すずめの可動域か許せないのでありましょう それはそれは ヒステリックに嫌うのでごさいます ですが そのサエズリは その可動域の素晴らしさ この世界を 絶賛してる 前略 海風にコートの襟をたてて歩いていて きずきました わたくし 稼動フェチなのでございます 船はイキモノとしての人の稼動域拡大の本能の勃発 もちと 近こうよれ そなたの船体にかかれた異国の文字を見せよ オーライ「ん ぼーーーーーーーーーーーーーーーっ」と汽笛でも 聴かせてくれた日にゃ 最高でございます うちの父は むかし船を造っていたのであります いまごろも 父の造った どこかの遠い海のタンカーが 大海にゆれているのかもしれません その船首にぶつかる波の音は この世界を 渡ろうとしている 前略 ひとりの部屋で 自由について考えて きづきました 自由とは 自分を由(ゆえ)にすると書くけれど 【由】の字は 松花堂弁当のようだと 思うのです 十字に仕切られた 枠の中が 発想の稼働域なのでございます 鳥あり魚あり山の幸あり 山海が踊るのです わたしの箸は 狙います かまきりが 獲物をねらって ずっと おなじ姿勢で たたずんでいます その稼働域も 素敵 蟻が 行列をくんで歩いています その可動域が 素敵 いつだったか郵便ポストの上で 一週間の座っていた牛蛙の 狭い狭い 稼働域も素敵 カドウ域が 好きなのです あなたの内面にある たぶん だれにでもある悪意には 興味がないのです それは わたしの共有できる【カドウ域】 とは違うから わたしの 腕が すべての人をハグできればいいのに 私の稼働域に あなたは居ても良いと思いますか? ハグして いいですか?
稼働域フェチ ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 2386.3
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 117
作成日時 2019-05-07
コメント日時 2019-06-11
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 15 | 3 |
前衛性 | 13 | 7 |
可読性 | 30 | 11 |
エンタメ | 19 | 7 |
技巧 | 20 | 7 |
音韻 | 9 | 4 |
構成 | 11 | 1 |
総合ポイント | 117 | 40 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1.7 | 0 |
前衛性 | 1.4 | 0 |
可読性 | 3.3 | 2 |
エンタメ | 2.1 | 1 |
技巧 | 2.2 | 3 |
音韻 | 1 | 0 |
構成 | 1.2 | 0 |
総合 | 13 | 7 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
拝見しました。 可動域、稼働域、とカドウ域、が貴作の重要なポイントのように感じました。まず、 >カドウ域フェチなのでございます から、主人公は「カドウ域」のフェチだとわかります。 >稼動フェチなのでございます から、稼働もフェチだと。 >かまきりが 獲物をねらって ずっと おなじ姿勢で >たたずんでいます その稼働域も 素敵 >蟻が 行列をくんで歩いています その可動域が 素敵 >いつだったか郵便ポストの上で 一週間の座っていた牛蛙の >狭い狭い 稼働域も素敵 から、「可動域」とは「動いているもの」稼働域とは「静止しているもの」だとわかります。 >カドウ域が 好きなのです >あなたの内面にある たぶん だれにでもある悪意には > 興味がないのです つまり、カドウとはふたつの「可動」と「稼働」を指すと考えました。カドウ域フェチだからこそ、悪意には興味がない、と内面的なものに対する興味の否定、すなわち外面的な、視覚的な「カドウ」が好きだという誇張を、上記の抜粋が行っていると推察できます。 カドウというテーマでの詩は珍しく、オリジナリティー溢れる作品として好感が持てました。
0ふじりゅうさま、コメントありがとうございます。正直もうしあげて、どなたもなにもコメントを書いてはくださらないのだと すっかりあきらめていたところでした。コメントが書きにくい作品であったと思います。 静と動のカドウが好きだというのが本作品です。だから それで どうしたのかが 無い作品なのですが、オリジナリティー溢れる作品として好感をもっていただけて嬉しいです。 この詩をとりあげていただけたので 今週は、……そうだな。 プールにいってみたり 自身の身体の可動域を広げてみようと思います。ありがとうございました。うれしかったです。
0ハグしてええよ。
0ぶっはは はっは。ひぃ。 うけました。 ガシッ❗️
0稼働域、独特な用語。普通可動域ですよね。なのでこの詩からはオリジナルな息吹が感じられました。
0コメントありがとうございます。普通は可動域ですよね。 稼働で連想するのは 稼働中とか稼働率とか稼働人数とかですよね。 稼働で範囲を示すなら、稼働領域なら いうこともあるかもしれませんね。 稼働は働くだから 脳のいろんな箇所を通過させた思考があるのでしょうが 可動は動くだから 頭を使っているかもしれないけど 筋肉を動かす箇所だけを使用してる感じがします。 いいたかったのは、頭でっかちにならないぞ!ということが表現したかったのですが、いやいやどうして、結構 あたまでっかちな詩です。
0こんにちは。るるりらさんの詩は読みやすいので好きです。
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