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おひっこし
おひっこしをします どこへいくか、きいてくれますか どこへいきましょう いきたいばしょではないのです いきたいばしょはありますが いばしょがないのでいけないのです なので、いばしょがあるばしょをえらびました さいわい こんなわたしにも ともだちがいるのです いっしょにわらって、ないて、たまにしかってくれる そんなともだちがいるのです おひっこしをします いつもどるか、きいてくれますか もどりはしないでしょう はなれたいわけではないのです わたしたいものがあるのですが かなわないので あきらめたのです そこで、おいていくことにしました すてるには こころぐるしく あげるには かさばりますし もっていこうにも もてあましてしまうので そこへ、おいていくことにしました きがむいたら あけてみてください きがむかなければ わすれてください たまにでいいので おもいだしてください おひっこしをします さいごになりますが、きいてくれますか もう あうことはないでしょう なにもないへやをみても なにもおもわないのです まどをあけたら きもちのいいかぜがふいて どうやらわたし しんだようです おひっこしをします もう あうことはないでしょう あなたのかおをみても なにもおもわないのです わたし しんだようです
おひっこし ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1898.5
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 27
作成日時 2019-04-10
コメント日時 2019-04-16
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 18 | 12 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 3 | 3 |
エンタメ | 3 | 3 |
技巧 | 3 | 3 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 27 | 21 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 6 | 6 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 0 |
エンタメ | 1 | 0 |
技巧 | 1 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 9 | 10 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
- ただ移動するだけだということ (哀愁亭)
>まどをあけたら きもちのいいかぜがふいて どうやらわたし しんだようです ここがいいですね。気持ちいい風に自分の心?の死を感じる。全編ひらがな、は平板に振舞う感情を表したのかと思ったのですが、長め作品なので途中で何かアクセントが欲しいですね。
0ともだちのくだりが出てくるまではとてもよかった 詩はあんまり道徳的になると面白さが削がれる 淡々と描いて欲しかった
0こんにちは 語り口調の詩ですね。 >どこへいくか、きいてくれますか >どこへいきましょう ↑ この コール&レスポンス風の語りかけ。いいですね。 読ませていただいていて、詩の中に入りやすいと感じました。 現状の場所には居場所がないから、友人のいる場所ならなら居場所がある気がするので、住む場所を変えるという詩ですね。 新天地に行くような覇気なんてものは、まるでなさそうで なかなか しおしおとした語り口調ですね。 ひらがなという選択も、さびしさからか 難しい表現はしたいとお思いにはならなかったので、ひらがなを選択しておられる気がしました。 どうもこの詩のお別れを前にした話手は、別れる相手に プレゼントしたいものがあるみたいですね。それがなにかは 読者につげず おともだちのところへ 引っ越してゆかれる様子。未練たらたらですね。 さみしさを表現するのに、冒頭のコール&レスポンス風の語りかけは効果的です。まあそんなに気落ちしないでと背中をさすりたくなりました。
0>おひっこしをします >どこへいくか、きいてくれますか この出だしが好きです。素直な感じがします。 しかも自分から聞いてほしいと言ったようなものなのに、そのくせ >どこへいきましょう と今から考えてるかのような口ぶりなのが鬱陶しくて人間くさいですね。 いきたいばしょの部分ですが、 「行きたい場所ではないのです。生きた居場所はありますが、居場所がないのでイケナイのです。」 と読めて、全編がひらがなになっている意味として受け止めました。 >まどをあけたら きもちのいいかぜがふいて >どうやらわたし しんだようです この二行も好きなんです。空っぽになった部屋に新鮮な風が吹き込んで、もう後戻りができないのと同時に、おひっこしへの決意のようなものを感じ取れると思うんです。そのひとつ間違えたら前向きともとれそうな強い気持ちを普通は「しんだ」なんて言えそうもないところを、「なにもおもわな」くなってしまった自分が「しんだようです」と告げているのが、この表現の深みなんじゃないかなと、思いました。 ともだちの部分、このあたりはあまり本質的でない飾りの部分にも見えましたが、等身大な雰囲気を出しているのもこの辺りなのかもしれません。説明的に見えるからなのか、読むだけでは繋がりが見いだせないからなのか。でも、友達のところへこれからいくんだな、というのがわかってすごくリアルに聞こえるんですよね。 以上、この詩が好きだなあというお話でした
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