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燃
空気穴を 塞ぐ粘土質の 呼吸が捲れる 酸素を燃やすマグマ ジクジク腐る肉呼吸器 干上がった産みの恒星 産道が爛れた黄泉の階段 燃え続ける内核が浮上する サテライトダークネス 意味はない忌みはないイミハナイ 産み出す海峡で深海魚が光り続ける イマが全てなら虚しいだけ 長く延びた地球号の尻尾はとどかない ユグドラシルの根の耐性は 永久凍土を突き破り ツンドラから亜熱帯を串刺しにして 23.4度傾きを是正しようと 揺すぶりながら空気穴を塞いで 窒息する恒星へ落下する 燃え尽きながら黒点になり マグマが液状化した揮発性のコロナの中で 誘発する核分裂がようやく その息苦しさを解放するのだ 呼吸器と空気穴が意味を為さなくなって 燃え続ける独楽になった惑星に 23.4度の傾きは無い 完全で完璧な美しい回転の元に ひとつも水が残らない枯れた岩石だけになり やがて音もなく眩む光にのみ込まれていく 深海魚が住んでいた静寂の 揺れる密度は拡散し続ける それでも無にはならない それでもゼロにはならない 空気穴は無くしてはいけない
燃 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1578.9
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 52
作成日時 2019-03-22
コメント日時 2019-03-30
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 10 | 10 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 40 | 40 |
エンタメ | 2 | 2 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 52 | 52 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 3.3 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 13.3 | 0 |
エンタメ | 0.7 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 17.3 | 10 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
とても面白いと思いました。 前半のテンポが乗りにくいのですが、読んでいてめちゃくちゃ太陽への価値観揺らぎない、と思ってタイトル確認に戻ったら「燃」一文字だったので、構成も潔く簡潔で好きでした。
0かるべまさひろさん コメントありがとうございます。 イメージを連ねて書いたので どんなふうに読んでもらえるか 気になっていました。 とても嬉しいです!
0強く抒情性か感じられました。ユグドラシルは北欧神話ですが、実際の天文を理解するうえでも役立つと思うのです。 「意味はない忌みはないイミハナイ 産み出す海峡で深海魚が光り続ける イマが全てなら虚しいだけ」 この3行に強いことあげ、宣言を読み取りました。つまり永遠は一日にしてならずだと思います。深海魚が住んでいた静寂は詩人の中にあるのかもしれません。
0エイクピアさん コメントありがとうございます。 北欧神話好きなんです。 ユグドラシルは漫画やゲームや歌にも 使われてて、世界樹という認識も通じやすいのかなとも思いました。 日本では宇宙樹とも訳されてますよね。 世界各地の神話に世界樹の概念があったり、とらえどころが無いようで共通認識みたいな面白さがあります。 深海魚は惑星が燃え尽きるときにどうなるのかなと思って登場させてみました。 素敵なコメントとても嬉しいです!
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