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川魚
人の詩へ、爪先でふれて、すべり流れていく中に詩を見つけて、 それは何と見つけているときに。 川の”そこ”がもう流れていったことを、教えてくれたものすらも、もう遠い方へ。 じょろじょろ、とも、さらさら、とも就けずに 詩の今に私は何をしているの。 表れた彼の調子は、必死なものでなく そこにあるのは何度見ても、人が置いたものなのに。 それが景色であるように、川の透明にとけていく。 世界の上にまた新しく嵌まり込む 心が私のものなら、私は世界のものなので 彼の行いが世界への異物でないのなら、私の心は彼の詩を零してしまう。 彼の、なだらかな眉の、目の触りが 私の首を、ふわりと撫でてくれた もうあとかたも見ることが出来ない 適っている。適っている。 彼の優しすぎる静かな色の唇に食まれて、私は、私は、私は、 もう彼を離れられないの。
川魚 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1748.1
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 18
作成日時 2019-03-18
コメント日時 2019-03-19
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 6 | 6 |
前衛性 | 2 | 2 |
可読性 | 3 | 3 |
エンタメ | 3 | 3 |
技巧 | 2 | 2 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 1 | 1 |
総合ポイント | 18 | 18 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1.2 | 1 |
前衛性 | 0.4 | 0 |
可読性 | 0.6 | 1 |
エンタメ | 0.6 | 1 |
技巧 | 0.4 | 0 |
音韻 | 0.2 | 0 |
構成 | 0.2 | 0 |
総合 | 3.6 | 4 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
とつとつとした語り口ながら、一貫して他者の詩に触れていく、詩を探していく、という体験の不思議を、実感として捉えようとする強い意思が感じられて良かったと思います。 日常的にはあまり使わない言い回しが出てくる、そこで滑らかな読みに凹凸が生まれる。 そこを違和感と取るか、言い得ないことを、何とか今現在の段階で言おうとする故に出てきた必然なのか。 違和感があるゆえに、それがアクセントとなって読者に入ってくる部分もあるので、私は必然だと感じます。 彼の詩、が、いつのまにか彼そのものになっていく。詩が彼なのか、詩を越えて作者そのものが読者に触れてくる感覚を伝えたいのか、あるいは、作者を越え、詩作品そのものを越えた、詩そのものが、彼と名指されているのか・・・ 代名詞の使い方をもう一度見直してみると良いのではないかと思いました。
0まりもさん、コメントありがとうございます。 いい詩を書きたいという願望だけでいい詩が書けないので、頭でっかちになってるんじゃないかと思いつつも詩との付き合いを考えてるところなのですが、読みたいときにはこんな感じで読んでます、というのを書いたつもりです。 静かな視界さん、コメントありがとうございます。 魅力的と言われて嬉しくなってます。ベタなところ等は、また今後、よりいい形を探していこうと思います。
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