言葉弔い - B-REVIEW
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言葉弔い    

言葉になれなかったものが 体から追い出されていく 怒りの言葉になる予定だった 責める言葉になる予定だったもの 排水溝に吸い込まれてゆく 絞り出すときのあがきの音が 気道中をひっかきまわす もっと言葉を 込み上げた思いに命を宿せる 言葉を見つけなければ 憤りが気道をのたうち 絡まりながら上って 落下してゆく まだあるまだ出る 歯みがきのチューブを 平たくなるまでつぶして 押し出すように 粘り強くシツコク 追い出しにかかる 何もなれなかったものは ヤマイダレと炎合わせた文字で 皆同じ名前で呼ばれるものになった


言葉弔い ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 8
P V 数 : 982.4
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 0

作成日時 2017-06-01
コメント日時 2017-06-23
項目全期間(2025/04/11現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性00
エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
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閲覧指数:982.4
2025/04/11 00時02分13秒現在
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    作品に書かれた推薦文

言葉弔い コメントセクション

コメント数(8)
三浦果実
(2017-05-12)

夏生の作品から感じる水の感覚と落下する感覚。私、気になります。センスがいいなあと思うんです。毎度投稿有難う御座います。

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朝顔
(2017-05-13)

夏生さんの御作品は、思考回路がまさに歯磨きのチューブをつぶして押し出すかのように論理的なのですね・・・。 言葉の選択も丁寧ですね。こういう詩のつくりかたは正統的かなと。 じっくりと読んで、じわじわと感動が来る良作だと思いました。

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三浦果実
(2017-05-13)

呼び捨てになってました!すみません。

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まりも
(2017-05-14)

痰・・・最後のオチが、大真面目であるだけに、ユーモラスでした。 言葉が、身体の内側を上がったり下がったりしながら、内側を焼いている、そんな烈しさ、苦痛、それでも絞り出したい、という欲求を感じました。 命の宿った言葉とは、それだけで自立して、人から人へ、手渡されていったり、呑まれてまた生まれ直したりする言葉、なのでしょうね。命を宿す前に霧散してしまった思い・・・それがまるで気焔のように、喉を焼く感じが痛切でした。

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夏生
(2017-06-21)

コメントくださった皆様、返信が大変遅くなりまして、失礼致しました。 花緒さま 纏まりのいい良作、との評、とてもうれしく思いました。コメントくださり、ありがとうございます! 三浦果実さま  <水の感覚と落下する感覚。私、気になります。とのこと。うれしく思いました。細部までお読みくださり、ありがとうございます! 朝顔さま こちらのサイトから離れてしまったとのこと、とても残念です。良作との評、コメントくださり、ありがとうございます。 まりも様 細部までお読みくださあり、ありがとうございます!最後のオチがユーモラスとお感じなったとのこと、うれしく思いました。

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北村灰色
(2017-06-21)

言葉を発する(口)に関連する事物を巧みに用いている印象を受けました。また、詩全体のリズムがとても良いと思いました。瞬時に込み上がり、消えるか否かの感情の行方の刹那のようなスピード感。

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百均
(2017-06-21)

夏生さんの作品が僕は好き。 今の所大体クリーンヒットで、読むたびに凄く波長が合う感じがします。それは僕の方から一方的に寄せた、空振りに過ぎてしまう所もあるという事で、必ずしも作品の良さを紹介するには繋がらない事が多いのだけれども。 そこが、僕の側近の課題だとも最近思う毎日です。 この作品が上手いのは、洗面所の前で全部完結している所だとおもいます。 洗面所の前で、痰を吐いたり、使いきりそうな歯磨きチューブを搾りだすイメージとかを、上手く言葉に絡ませながら描いている。 その手順が僕は特に面白いとおもいます。 まずタイトルが「言葉弔い」そこから、言葉にならない感情を描く一連目で始める。 弔う話なのに言葉が生まれる瞬間を描くんですね。 次に排水溝が出てくる。 次に軌道が出てきて食道のイメージが出てくる。 そして歯磨きチューブが出てきて、ここで洗面所が完成する。 そして最後にヤマイダレに炎と書いて痰=言葉を火葬する+生まれたての、もしくは生まれる前に堕胎してしまった言葉を火葬するイメージに転化していく。最後の一連はなんとも壮絶だ。 漢字形を利用したギミックも確かですが、それが痰という日常顧みられるもののないもの、いわば排泄物として処理される物に焦点を当てて言葉を考察する。歯磨きチューブの出る瞬間に詩が宿るという例え話は結構聞いたことがあるんですよ。でも夏生さんはそこから一歩先に進むんですね。詩が言葉になる前に捨てられる瞬間を描くことによって逆説的に言葉を描こうとしている。 言葉にならない言葉を日常の歯磨きという行為の中に見出し、歯を磨き、痰を吐き出す行為に詩を見出す。それを僕に能動的に感じさせてくれる。そこに、僕は惚れてしまいますね。

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夏生
(2017-06-23)

hyakkinn様 細部までお読みくださり、ありがとうございます。作品を気に入ってくださったこと、とてもうれしく思いました。 心身ともに、とても苦しい状態のときに書いたので、それが報われた気がしました。大きな励みになりました。 イメージと作品にこめたものも、hyakkinnさんのご考察のとおりで、驚きました。ありがとうございます!

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投稿作品数: 1