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姉妹たちに #2
もとはどこかにあったものが 漂着して それからはずっとある 過去には轟々たる旅があっただろうに 今ではそんなことかけらも思わせない 硬い 静かだ ゆれない 無機と有機はかつて恋人だった どろりと溶け合い通じ合っていた いつからか二つは別れた その二つもいくつもに分かれた そして限りない数の不幸と 限りない数の幸福がうまれた だから片割れの振動で片割れが壊される 不器用になってしまったものによる精一杯の愛情表現だ たとえ片割れを傷つけることにしかならないとしても止められない たとえその結末を知っていたとしてもだ やわらかくて しなやか たくましくて すなお かつてはたしかに恋人だった 愛し合っていた 今は立ちはだかるだけの片割れも 未だ相通じる片割れも ほんとうはすべてが一緒になって動くのだ 滑らかな一体だったのだ 回る回る回る回る回る回る回る ほんとうは回る しかし今は別れているから 互いに傷つけ合いながら片割れをまさぐり続けている 打て 打て 打て 練れ 重ねて打て 重ねて練れ かつての愛を思いながら重なり合え そうして光って 光って 光って 光って! 輝いて! 光り輝いて包んで! あたたかさを知らない私たち姉妹だから 輝いて! 強く!
姉妹たちに #2 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1197.1
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 4
作成日時 2019-02-07
コメント日時 2019-02-09
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 1 | 1 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 1 | 1 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 4 | 4 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 1 | 1 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 1 | 1 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 4 | 4 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
2/7 14:00 煙草吸い終わる(マールボロ・ゴールド・オリジナル×1 ゴールデンバット×1) 14:00 録画していた「ケムリクサ」5話視聴開始(観ながら詩文のメモをする) 14:30 視聴終了 15:00 再視聴 15:30 視聴終了 15:40 スマホに詩の書き出し開始 15:54 書き出し終了 書き出し後すぐに投稿
0前作のと合わせてですが、まず今期ケムリクサは観ていないので前提知識は共有できていませんが… 自分は勝手にテイルズオブジアビスとか思い出させられました。 前作より書いてやろうという意気込みがある印象です。技巧が少ないからその分、背景となる何かを前作より確かに感じます。前作は知らなくても読めるように、今作は知らないと踏み込めない感じがしました。 ただ俳句での前書のようなものがあるわけではないので(コメントをそう捉える、という見方もありですが)、読者と前提を共有しない意思も持ちながら作品はあるのだなと読めます。 で、まぁ最終連が印象に残るようになっているのですが、「姉妹」という語がちゃんと引き立てられてるなと。恋愛やかつて一つだっただの今は傷つけ合っているなど設定トークが3連も続くのは、「姉妹」という語に全部の思いを詰め込むためだったのだなと読めます。前提を知らないとここで「姉妹」の語は出てこないから。 それでもこの「姉妹だから」の絶対性/設定で語っていた人間関係についての親和性がちゃんと読み取れます。まぁ端的に言うと、背景になるなにかをインプットしたときの感動か動揺か…そういうものを表している。 そう読みました。ただ面白いかと考えると3連がずっと設定を語る言いぶりだから、突き放しを感じて、あまりひねくれていない素直な「わかる人だけわかればいい」態度に感じました。ただまぁそこは渡辺さんだから好意的に読めた…そんなところでしょうか。
0かるべさん 「姉妹たちに」はうまくいったらシリーズ化して同人誌にしたいなと1作目から構想練っていまして。でも上手くいったらだなぁ~ってぐらいに最初は思っていたのですが、3月末にもうケムリクサオンリーが開催されると知って俄然やらねばと思い直し、上手くいったらでなくなんとしてもシリーズ化してやろうと2作目を書いたところです。書き始めてしまえばあとはそれに続くしかない。 1冊の本になると考えると同じ手法ばかりをやっていてはならない。各々の詩を合わせての総合で本は読まれるわけですから手を変え品を変えなくては。だから1作目とは被らないように努めています。これ消耗戦ですね。先に本が出来上がるか、私の手持ちの技が尽きるか。
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