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1月14日の朝
3時に目が覚めて 眠れず やることもないので マニキュアを塗った 3時間かけて ネイルが完成したところで 母が起きてきた 「おはよう」と言った後 わたしの爪を見て 「よくできたね 綺麗に塗れたね」 と言った わたしは 自分が実は5歳の女の子だったような 錯覚に一瞬陥った 無性に悲しくて なんだか死にたくなった それ以上何も出来なくなって また眠って 結局 ほんとうに起きたのは 11時だった 起きた時 母が居なくて 家の中があまりに静かだったから どうしようもなく不安に駆られた もしかしたら 本当に5歳の女の子だったのかもしれない 3時間かけて 塗った爪は ベッドのシーツや布団に擦れて あちこちに傷がついていた あと10日したら 17歳の私はどこにもいなくなる わたし この爪を抱えたまま これからも生きられるのかしら
1月14日の朝 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 996.2
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2019-01-14
コメント日時 2019-01-17
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
返詩します 「17才の相対性理論(2002年提出,ユグドラシアド中央大学)」 母はわたしの爪を見て「よくできたね 綺麗に塗れたね」と言った母は12才若く見えた。私は 5才になったみたいにまた眠って、起きたときにはおかあさんはいなかった。ぬりたてのつめだけがピカピカに光っていて、 わたし このつめをかかえたまま生きられるのかしら
0爪がきれいほうが、大人っぽいと思いました。なぜなら5歳の爪は食べ物とか、砂とか、噛んだりして汚れているからです。貴作はご自身のみの年齢を若返らせておられたのですが、お母様の時間を巻き戻すことで「母」として未熟で頼りなく、若いのでエネルギッシュで娘より自分のことに夢中という感じを出したかったです。 本作は大人になる不安を描かれた詩なのですね。
0こんばんは 世の中には 様々な17歳がいると思うのですが、わたしが初めてマニキュアを塗ったのは たぶん17歳くらいだったです。懐かしい気持ちになりました。 はじめて塗ったときには じょうずには塗れませんでした。それだけに まともに塗れたときは、嬉しかった。けれど、いずれダメになっちゃって 残念な状況になる。 17歳だと 突然 五歳になったような気持ちでもゆるされて そのうちには 五歳の気分が許されない感じがする気持ちの感じが、解る気がします。 わたしの場合は、17歳なんて だいぶ昔なのですが、どんなに年を かさねても 私の場合だけかもしれませんが、心だけは五歳の心の瞬間はあります。なのでチコちゃんくらいには喜んでもらえるかもしれません。けれど、年齢を重ねない人はだれもいませんし子供のままではいられないです。これって ほんとうに ちょっと死みたいな絶対的恐怖ですよね。 なんと おそろしい。けれど、この恐怖からのがれられる人はいないんですよね。しょうがないから きれいな爪でもいいし、ほかのなにかでもいいから 綺麗なものを見つけたいなと この詩を読んで思いました。
0安室奈美恵さん、加藤ミリヤさんの19ブルースを聞いてほしいと我儘に思いました。
0これは、不安を謳ったものではなくて、 もっと思春期って素敵、十代やべぇ、みたいな詩なのだと感じていました。 というのも、この作品の「わたし」は一切退廃的な雰囲気もなく、 「女詩的」に十代の儚さを自覚的に捉えていると読める最終連だと思ったからです。 たとえば、「母」の存在について、普遍的に述べることは あまりおすすめしません。 渡辺さんがおっしゃっている1行空けの改行と似ている意見なのですが、 「母」という単語だけで雰囲気を醸すのは 言葉として少しもったいないと思うのです。 言うほど普遍的な母って世の中いなくて、 わりとどの母も一人の人間だったりするということを 読者は知っていて、お約束の中で見て見ぬふりをしてしまうと思うのです。 それでもいいのですが、この詩は 十代のみずみずしさがあるからこそ、 「母」についてはもっと深めても 誰も取り残されずに読んでくれると感じました。
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