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やさしい無機質
あ、UFO! って無邪気に思うひと はこの世にどれくらい いるのだろう あれはねUFOではないんだよ ISSなんだよ あれはね宇宙人の発明品ではなくて 人間の作った人口の光 シリウスよりも 他のどんな星よりも明るい人口の光なんだって 熱い命を燃やすよりも 冷たい人工物のほうが明るいの 終りはあるけれど寿命のない 冷たい人工物のほうが明るいの 「ふうっと息を吐く」 たくさんの二酸化炭素が吐き出されて 地球をじわじわと窒息させようとする って、いうのも嘘。ぜんぶ嘘で、 つまるところ 人間であることは脳みその無駄遣い 政治屋さんに簡単に洗脳されて 二酸化炭素は悪!悪!悪! って、いうのも嘘。ぜんぶ嘘。なのに…… すなおな心のままで そのままで生きていればいいと思うよ 洗脳されてもそれが、幸せなら ねえ あなたが息をするのを止めれば地球は楽になるよ それならばそうしたらいいよ 私と一緒に地球のために死ねばいいよ 素敵な犠牲になればいいよ そうして十五年くらい後に アンドロイドにでも生まれ変わって ふうっと息を吐きだして たくさんの酸素を吐き出して そんな風に 地球にやさしく生きていけばいいよ 熱い命を燃やすよりも 冷たい人工物のほうが きれいにきれいに光るのだから
やさしい無機質 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1265.6
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-04-29
コメント日時 2017-05-25
項目 | 全期間(2024/12/04現在) | 投稿後10日間 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
お初です。よろしくお願いいたします。とても好きな詩です。若々しさ、みずみずしさだけでなく、現代のひたすらにポジティブに前向きに走って行く人々への、うつくしいアンチテーゼのように感じました。「すなおな心のままで~」から始まる一連が、この詩のテーマのように思うのですが、ちょっと整理整頓が必要なのかなと。
0朝顔さん コメントありがとうございます。とても嬉しいです。 作品で思想を語るのが苦手で、やはり指摘された通り言葉が多くなりすぎてしまったようで反省しております。次回からは整理整頓をもっと意識して頑張ってみようと思います! 地球温暖化について。二酸化炭素のせいではないという説は本当に提唱されています。社会の常識をつくっているのは悪く言えば権力を持つ方々とそれを信じる無垢な人々であり、科学ではない。その悲しさと言うか虚しさが伝われば、と思っております。
0ニヒリズムが効いていて好きな詩です。流れが出来てますね、他の詩も読みたいと思いました。
0何かを信じるということは、世の中に対する反逆であり、何よりその人をその人たらしめるものだとこの作品を読んで感じました。作中の言葉で言えば、「すなおな心のままで/そのままで生きていればいい」ということです。 出だしから、世の中の一般的な物の見方に対して一石を投じています。UFOなんていないという一般論=先入観に対しての抵抗。続く話はまるで大人が子どもに語り掛けるように、物の見方が説明されています。その中でも核になっているのが「冷たい人工物のほうが明るいの」という繰り返されるフレーズ。 次の連も、世の中における一般論に対する抵抗です。二酸化炭素が地球温暖化の原因である、という言説を信じる人と信じない人。この語り手は少なくとも信じない人であって、信じる人に対して「洗脳」というように見ています。それでも、その抵抗が無力であることを承知であるのは、最後の「なのに…」というボヤキから見受けられます。 一般論に対しての抵抗が無力でありながらも、語り手は絶望していません。だから、「すなおな心のままで/そのままで生きていればいいと思うよ/洗脳されてもそれが、幸せなら」というフレーズが生まれるのでしょう。一般論に洗脳されていたとしても幸せであって、「地球にやさしく生きていけばいい」というのが、語り手の希望です。 こうした希望を持てるのも地球=自然に対する気遣いを持っているだけでなく、この語り手は「冷たい人工物」の美しさを知っている存在です。つまり、語り手は人工物に対してさえ気遣いができる存在です。 何かを信じるということは、一般論に対する抵抗です。周りがどうあろうと、「私」だけはこれを信じていたいという欲望でもあります。この語り手は、UFOや二酸化炭素の存在に対する一般論に対して抵抗をしているわけですが、「冷たい人工物」が「きれいにきれいに光る」ことを知っており、その美しさを信じています。その物の見方こそ、この語り手を語り手たらしめる要素であり、気遣いのある存在だと読者である僕は信じています。
0熱い命を燃やすよりも 冷たい人工物のほうが明るいの 終りはあるけれど寿命のない 冷たい人工物のほうが明るいの この切なさという可矛盾というか、発見が、この詩を成立させているように思いました。後半、言葉がのってきている反面、同じような言葉を繰り返す部分が目立ってきたり・・・繰り返すことによって、酩酊感とか、エンドレス感とか、強調とか、逆に意味を薄める(意味がない、感じになっていく)とか・・・そういう「効果」があるかどうか、考えながら推敲していくと、もっと引き締まった作品になると思います。 素敵な「発見」を大事にして下さい。
0UFOから始まるのずるいですね。皮肉もたっぷりですし、多分読めば大体の人には伝わると思います。 僕はそれでもあれですね、もうちょっと生きてたいし、基本的に人間は環境を壊す生き物だと思うので、あれだな、この作品のスタンスには抗って生きていきます! みたいな感想しか出てこないくらい、あれだな。作品の作りとしては、後少し短く出来るとは思いつつも、引き締まっていると思います。個人的には始まり方が多分今月の詩の中で一番好きだと思います。最初タイトルだけ見てどんなもんかときてUFOが来たからちょっとノックダウンされた。これはユーモアの力ですね。
0たくさんの丁寧なコメントありがとうございます。全て今後の糧となるように頑張ります。
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